ユニックの正しい使い方を覚えよう!操作時のコツや注意点を詳しく紹介!
ユニック車を操作するための資格は所持していても、実際の経験が無い方は多いですよね。
資格取得の際に操作はしているはずですが、実務に就いていないと使い方を不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ユニック車の実務経験が無い方のために、役立つ情報をご紹介していきたいと思います。
Contents
ユニック車の資格を持っていますか?
ユニック車は運送現場や建築現場などで活躍する車両です。
しかし誰でも操作しても良いというものではなく、「小型移動式クレーン技能講習」や「小型移動式クレーン特別教育」を受けていなければいけません。
小型移動式クレーン技能講習
「小型移動式クレーン」というのは吊り上げ荷重が1トン以上で5トン未満の移動式クレーンのことを言います。
平成2年10月の労働安全衛生法の改定により、「移動式クレーン運転士免許」か「小型移動式クレーン運転技能講習修了者」でなければ操作ができないと定められています。
根拠法令としては以下の2点が関連しています。
「労働安全衛生法 第61条ー1よりクレーン等安全規則第68条」
事業者は、令第20条第7号に掲げる業務については、移動式クレーン運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
但し、つり上げ荷重が1トン以上5トン未満の移動式クレーンの運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる。
労働安全衛生規則第83条 クレーン等運転関係技能講習規程(労働省告示第92号)に基づく講習である。
小型移動式クレーン特別教育
吊り上げ荷重が1トン未満のものを操作する際には「小型移動式クレーン特別教育」を受ければ可能となっています。
しかし実際の現場では1トン未満に限定されると仕事の幅がかなり狭くなるために、ほとんどの人が小型移動式クレーン運転技能講習を受講します。
したがってこちらの特別教育は実施している機関も少ないというのが現状です。
ユニック車の使い方のコツ
操作は一つずつ
ユニック車はうまく使えば非常に便利なものですが、それだけに慣れるまでは扱うのが難しくなっています。
慣れないうちに同時に色々と操作しようとすると難しくなりますので、一つずつ確実に行うのが基本です。
定格荷重表を確認し、自分が扱うユニック車のブームの長さを把握し、どういった動作半径で動くのかを理解した上で操作していきましょう。
レバーは優しく
レバー操作を行う際はゆっくりと少しずつが基本です。大きく一気に動かしてしまうとブームも早く動いてしまい危険です。
また、ユニック自体も大きく早く動いてしまうので荷物を吊り上げているときなどは特にゆっくりと操作することを心掛けましょう。
一番確実と言われるのはレバーを操作したときに聞こえる作動音や振動を確認しながら操作することです。慌てることなく操作していきましょう。
吊り上げは真上から
荷物を吊り上げる際はブームを吊り上げる荷物の真上に移動させてから、少しずつ巻き上げていき、荷物が大きく振られないことを確認しながら吊り上げていきます。
その際、ワイヤーを荷物にかけるフックは目線の高さに合わせて行いましょう。ただしこの高さのまま移動をするとワイヤーが人や物に当たる可能性があるので巻き上げておきましょう。
ユニック車を操作する時の注意点
アウトリガー接地面の確認
横転を防ぐために使用するアウトリガーを使用するときは地面の硬さをしっかり確認して左右を最大の長さに伸ばして使用します。
その際に接地している地面が柔らかいとアウトリガーが地面に埋まっていき、バランスを大きく崩して横転する可能性が高くなります。
必ず地面の硬さを確認し、もし柔らかいようであれば鉄板などを利用してアウトリガーが安定するようにしておきましょう。
ブームは伸ばし過ぎない
クレーンのブームは最大まで伸ばさないようにしなければいけません。
ブームを伸ばしすぎるとブームに過負荷が起こり、吊り上げることができる荷重も少なくなります。
また、活動半径が大きくなると横転する可能性がさらに高まります。ブームを短くして小さい作業半径で作業を行うのがポイントです。
しっかりと玉掛けを行う
レバーの操作ミスをしたり、突風などの突発的なトラブルでも荷物の玉掛けが正確に行われていればそうそう大きな事故にはつながりません。
荷重をしっかりと把握し、無理のない吊り上げを行うことと、正しく玉掛けを行うことを心掛けておきましょう。
もし玉掛けの必要な荷重計算ができない場合などは、簡単に計算できるスマホアプリなどもありますので、それらを利用することをおすすめします。
巻きすぎに注意
慣れないうちは荷物を吊っているときの加減がわからずに、必要以上に巻き上げすぎてしまう場合があります。
一般的なユニック車には巻き過ぎ防止センサーがつけられていますが、それがついていないものや故障などで作動しなかったときは、巻き上げたワイヤーが断裂する可能性もあります。巻き上げ過ぎには注意しておきましょう。
走る前にブームを確認
ユニック車で多いのが「ブームのしまい忘れ事故」です。ブームを上に起こしたまま走行していると高架下やトンネル、看板や標識などに激突してしまうことがあります。
ブームが横に出たままで走行していると対向車や標識、信号、歩行者などに衝突する可能性があります。
必ずブームを収納してから走行するようにしなければいけません。
また、ブームを操作するリモコンの電池切れにも注意しておかなければいけません。
ブームを出したままの状態で電池切れを起こして操作できなくなると収納することができなくなることがあるからです。予備の電池などを準備しておきましょう。
ユニック車の正しい使い方を覚えて無事故に務めよう
ユニック車は正しく使用すれば大きな効果が発揮できる車両ですが、大きくて重い荷物を吊り上げて移動させることがあるために、使い方を間違えれば大きな事故につながることもあります。
また、ブームやアウトリガーの操作、しまい忘れなどによる事故も多く発生しています。
正しく使用して安全に利用していきましょう。
まとめ
ユニック車の使用は難しいようですが、一つずつ確実に確認しながら行えば安全に操作することができます。
急いで操作したり、ブームをしまい忘れたまま走行したりしないように注意していきましょう。