酷道とは?酷道ファン必見!全国の有名な酷道と悪路に適した車をご紹介
日本各地には多くの国道が走っていますが、中には「これが本当に国道なの?」「林道ではないの?」と首をかしげるような整備されていない国道があります。
今回の記事では、全国の有名な酷道と悪路を走るのに適した車についてご紹介します。
Contents
酷道とはどんな道?
酷道(こくどう)とは国道にひっかけた俗語で、一般国道の中でも車で走行するのが困難な道を指しています。酷(ひど)い状態の国道で、対向するのが困難で落石の危険性のある所もあります。
またガードレールのない場所も散見され、数十kmを走破するのに数時間を要することもあります。そのため、場所によっては運転操作を誤れば命の危険性もある整備が行き届いていない道路です。
日本三大酷道について
いくつかある酷道と呼ばれる道の中でも、特に難所と言われる「日本三大酷道」があります。ここでは、それらの特徴についてお話しします。
国道439号線について
起点は徳島市(徳島本町交差点)、終点は中村市(国道56号交点)です。四国地方の山間部を東西に縦貫する道路で、総延長は348.9 kmあり、数字の語呂合わせで「ヨサク(与作)」の愛称で親しまれています。
四国の酷道として最も有名な道路で、対面通行が不可能な区間が多く存在します。古くからツーリングの道としても愛されており、テレビ番組で特集されたこともあります。
国道425号線について
起点は尾鷲市(坂場交差点)、終点は御坊市(塩屋交差点)です。国道425号は、紀伊山地の山肌に沿った道で、チスボダム・坂本ダム・池原ダムといったダムの造る美しい風景を見ながらドライブを楽しむことができます。
大きなヘアピンカーブでドライブの醍醐味を楽しむことができます。十津川村では、点在する小規模集落を結ぶための道路となっており、地域の方にとって欠かせない存在です。
国道418号線について
起点は福井県大野市(上神明交差点)、終点は長野県飯田市です。途中にある新旅足橋では、水面から200m という高さのドライブを楽しむことができます。
岐阜県内では落石や法面崩壊の危険性のため通年通行止め規制がかけられた時期もありました。また恵那市では、国道257号の分岐点から岐阜・長野県境にある達原トンネルまで対向が困難な道が11kmも続いています。
酷道ファンってどんな人たち?
様々な危険性のある酷道を愛する「酷道ファン」とはどのような人たちなのでしょうか?酷道ファンも勿論危険性は熟知しています。しかし、どんな道路環境が悪くても他の道路では味わえない魅力を感じているようです。
例えば、手付かずの自然の中を走る爽快感、地域の人たちとの交流だけでなく、ドライビングテクニックを試すためにあえて酷道を選ぶ人もいるようです。
他にもある全国で有名な酷道をご紹介!
ここまで、日本三大酷道についてお話ししました。しかし、全国にはまだまだ酷道と呼ばれる道が多くあります。ここではさらに3つの酷道についてお話しします。
国道152号線について
起点は上田市(大屋交差点)、終点は浜松市(北島交差点)です。長野県内では八ヶ岳を横断し、南アルプスの西側を走破する有数の山岳道路で、絶景を楽しむことができます。
また大鹿村北川では日本ジオパークに指定された、「断層崖(北川露頭)」を見ることができます。地蔵峠と青崩峠は地盤が弱い地質のため、トンネルを掘ることができず、一帯は民家もないほどの秘境と言われています。
国道299号線について
起点は茅野市(新井交差点)、終点は入間市(河原町交差点)です。茅野市から麦草峠はメルヘン街道とよばれる観光道路で、壮大な景色を堪能することができます。
麦草峠は標高2,127 mという高地に位置しており、秋にはシラカバやカラマツの紅葉が美しいことで知られています。
また、佐久市から長野・群馬県境の十石峠への道路は武州街道と呼ばれ、非常に狭いため「酷道」の1つになっています。
国道265号線について
起点は宮崎県小林市(本町交差点)、終点は熊本県阿蘇市(内牧温泉入口交差点)です。椎葉村から熊本県山都町の区間は、「ひむか神話」の街道の路線として知られています。
また、熊本県では阿蘇山周辺の雄大な景色を楽しむことができます。元々は林道として利用されており、小林市から宮崎県椎葉村までの大部分が非常に狭く、九州の代表的な酷道として有名です。
酷道を走るときはどんなことに注意すればいい?
酷道を走る前に重要なのが「計画性」です。人里離れた地域を走行するため、ガソリンスタンドも限られているため、「どこにどんな施設があるか?」を把握しておく必要があります。
もう1つ重要なものが「メンテナンス」です。道中で故障した場合、ロードサービスも警察も到着に時間がかります。また、対向できない場所も多く、他の車に迷惑をかけることになります。
酷道を走ることで得られる運転技術について
酷道はドライバーにとっては過酷な道路環境であるからこそ、身につくものがあります。ここでは、酷道での走行で得られる運転技術についてお話しします。
狭い道幅で身につく車両感覚
車幅感覚が身に付く。酷道はとにかく狭い道の連続です。ただ狭いだけでなく、道路へはみ出すように樹木や道路標識がはみ出している所もあるため、車幅や車高といったトータルで車両感覚を身につけることができます。
また対向車が来た時に「サイドミラーを畳まないとすれ違うことができない」などのとっさの判断力も養うことができるので、普段街中を走る時でも役に立つでしょう。
バックする運転技術や譲り合いの精神が身につく
対向車とのすれ違いが難しい場所では、どちらかがバックする必要があります。必ずしも相手がバックしてくれるわけではありません。
そのため、常に対向車が来ることを想定して、既に通過した対向できる場所を記憶しておきましょう。
市街地のようにスペースに十分なゆとりがあるわけではないので、狭い場所での幅寄せができるようになるだけでなく、譲り合いの精神が自然と身につきます。
タイヤの位置の把握や、先を見越したコーナリングができるようになる
酷道には至る所に落石や段差がある所があります。これらを避けるにはタイヤの位置を正確に把握する必要があります。またコーナーにある落石を避けるために、タイヤの内輪差を意識できるようになります。
またコーナーを曲がるときに自然と先を見れるようになります。手前ばかり見ていると対向車の発見が遅れるので、常に前方からの情報を得るようにしましょう。
道路状況を確認するようになる
酷道は様々な障害のある道路です。段差や落石だけでなく、道路に覆いかぶさるように突き出した障害物などが路面状況を悪くさせます。それらを確実に避けなければ車体のあちこちにダメージを受けることになります。
しかし、酷道での走行を経験することで、一般道でも道路状況を把握する習慣がつき、また厳しい環境を経験している分、精神的に余裕をもったドライビングができるようなります。
酷道に適した車とは?
酷道を快適に走行する車に求められる要素はいくつもあります。まず車幅ができるだけ狭い方が有利でしょう。
またジープのように地上高が高い車であれば、路面に転がっている車をまたぐように走行することができだけでなく、視界が高いため先を見やすいというメリットがあります。
その他では、4WD車は悪路での走行安定性があるため、ぬかるみにはまっても脱出しやすくなります。
酷道を走る前に情報収集する重要性とは?
酷道は決して良いコンディションの道路とは言えません。また市街地のように施設が整っているわけではありません。ここでは、グーグルマップのストリートビューでの情報収集の方法についてお話しします。
グーグルマップのストリートビューで道路を確認する
グーグルマップのストリートビューは、まるでその場にいるかのように360度視界が広がるサービスです。このストリートビューを使い、事前に画像を通して「どの程度道が狭いか?」「どこで対向できるか?」などの道路状況を把握できます。
またガソリンスタンドや道の駅など、長距離ドライブには欠かせない情報も調べることができ、何かと重宝することでしょう。
まとめ
いかがでしたか?ここまで全国の有名な酷道と悪路を走るのに適した車についてご紹介しました。
酷道は通行の難所であるがゆえに、普段見ることのできない景色を楽しむこともできます。今回の記事を読んで酷道の魅力に触れていただけたらと思います。