パレットの種類/サイズ/形状/材質はどんなのがある?パレットの選び方のポイント
複数のパレットを使う人は、色んなパレットが合ってどの荷物にどのパレットを使うかわからないですよね。
パレットは仕事にはなくてはならない必需品です。しかし、老朽化に伴い、発注を頼まれたけど、何を基準に選んだらいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、パレットの材質や種類サイズをご紹介したいと思います。
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パレットの材質
パレットには色々な材質のものがあります。それぞれに長所や短所がありますので、用途によって使い分けるのが良いでしょう。
木製パレット
木製のパレットはもっとも古い歴史があるパレットで、全世界でもっとも多く使用されている材質でもあります。
特徴としては「生産や廃棄のコストが低い」「修理や補修が容易である」「ある程度の強度がある」といったものがあります。
ただし湿気には弱く、湿度が高いところで傷んだパレットはフォークリフトのツメなどで簡単に壊れてしまうということもあります。
また、木製であるために焼却処分できそうなイメージがあるものの、防腐剤が使用されているということもあるために国によっては安易に焼却することが禁止されていることがあります。
国内ではカラ松のような針葉樹が、輸入材ではマツやツガのような針葉樹の他に広葉樹が使用されることもあります。
金属製パレット
強度や耐荷重性、耐久性などの面で非常に優秀なのが金属製パレットです。アルミ材や鋼鉄が材料となっています。
ただし、コストが非常に高いという弱点や、パレット自体の重さがかなり大きくなってしまうためにトラックなどの一般輸送にはほとんど使用されることはありません。
アルミニウム製のボックスパレットが医療関係の物流や航空輸送に使用されることがあるくらいとなっています。
プラスチック製パレット
「合成樹脂製パレット」「プラスチック製パレット」と呼ばれるパレットです。木製パレットよりも強度や耐荷重性に優れているだけでなく、湿気にも強く輸出入時の防虫処理、殺虫処理なども不要というメリットがあります。
耐水性も高く、非常に衛生的でもあります。軽量であることも合わせて長所が多いパレットですが、どこか一部が破損してしまった場合などに修理することが困難であるというデメリットがあります。
また、廃棄する際は一般ごみとして出すことはできないために産業廃棄物として処理しなくてはいけません。
紙製パレット
紙製のパレットはとにかく軽く、造形が簡単であるというメリットがあります。特殊なクラフト紙で組み立てられることが多く、コストが安い、不要な際に場所を取らない、軽い、廃棄が楽なども長所として挙げられます。
しかし耐水性は非常に低く、耐久性もほとんどありません。そのため、1回限りの使い捨てとして使用されることが多く、一度目的地まで運んだらそのまま廃棄してしまうということが多くあります。
パレットの種類
パレットには材質だけでなく形状も色々と種類があります。何を運ぶかによって使い分けることが重要となります。
平パレット
一般的な平たいパレットです。もっとも汎用性が高く使用頻度も多くなっています。
木製パレットなどであればフォークリフトのツメが入る場所が二か所で、プラスチック製パレットであれば四方向からツメを差し込むことができるタイプのものもあります。
また、この平パレットは使用しないときにパレットだけで山積みにしておきやすく、あまり保管場所を取らないというメリットもあります。
ボックスパレット
平面である底面の他に3面もしくは4面の側板がついている箱型のパレットです。側面は編目や格子状になっているものが多く、その部分が取り外しができるもの、固定式のもの、側面が開閉するものなど色々なタイプがあります。
ロールボックスパレット
「ロールボックス」「ロールパレット」「カゴ台車」など色々な呼ばれ方があるパレットです。ボックスパレットに車輪、キャスターがついているもので、これ自体で荷物を運ぶことができるというメリットがあります。
側面を折りたたんだり、取り外したりできるものもあり、保冷や防塵を目的としてフタやカバーが付くタイプのものがあります。
ポストパレット
支柱がついているパレットです。長尺の部品やドア、サッシなどの建築金物を運ぶ場合、繊維やフィルムなどのロールを運ぶ場合などに便利です。
支柱は固定式のものや取り外しができるもの、折りたたむことができるものなどいくつかの種類があります。専門性が強いために購入する際は前もって注文しなければいけないことがあります。
シートパレット
特殊クラフトや合成樹脂でできた薄いシートのパレットです。このパレットを使うときは一般的な日本の長いツメがあるフォークリフトではなく、専用のフォークリフトを使う必要があります。
米や他の穀物、飼料などの袋を運ぶのに適しています。パレットを手で運ぶことができる、使用するのが簡単というメリットがあります。
サイロパレット
粉粒体のものに対して使用することが多いパレットです。大きな分類ではボックスパレットに属するもので、密閉状の側面にフタがついており、
その下部には開閉装置がついているので内部の粉粒体を出すことができます。もともとサイロとは牛や馬用の飼料を入れておく倉庫のようなものを指します。
タンクパレット
こちらは主に液体状のものを入れるのに使用するパレットです。こちらも大きな分類としてはボックスパレットに属しています。密閉状の側面にフタがついていて、上部もしくは下部に出し入れできる部分があります。
パレットのサイズ
良く使われるサイズが一応はありますが、パレットには無数にサイズがあります。日本国内だけでも約100種類のサイズがあると言われています。
その中でも中心となるのはJISで規格が決まっているもので、メイントなっているのは「1100(mm)×1100(mm)」です。
小さいものであれば「630mm×630mm」というものもありますし、大きいものであれば「2450mm×1450mm」というものもあります。
業種によってよく使うパレットがあるために、すべての業種で同じものを使うわけではありません。
ちなみにヨーロッパでは「1200(mm)×800(mm)」アメリカでは「1219(mm)×1016(mm)」のサイズのパレットが一般的だと言われています。
パレットの寸法を考えるのに重要になるポイントとしては「板の厚さ」「板の幅」「桁の高さ」「桁の幅」などがあります。
板の厚さは耐久性に大きく関係します。一般的には「20mm」の厚さのものが多く使われています。
ここを薄くしてしまうと耐荷重性が大きく落ちることになります。板の幅や板の枚数は乗せる荷物を考えなければいけません。幅が広すぎると隙間から落ちてしまうことがあります。
桁の高さはフォークリフトのツメが入ることを想定しなければいけません。だいたい100mmほどにされることが多くなっています。
これらを総合的に考えてもっとも使いやすいパレットを選んでいくということになります。
用途によって最適なものを
パレットはその材質や形状、寸法が無数にあるためにどれが使いやすいかをよく考えていかなければいけません。
単純に使いやすいからといって選ぶだけではコストが高くなる場合もあります。使いやすさやコストなどのバランスを考えて選んでいきましょう。
まとめ
日本ではT11型(1100mm×1100mm×144mm)がJISにより一貫輸送用平パレットとして規格化されているために、もっとも多く普及しているパレットとなっています。
工場や倉庫では木製のパレットが多く使われているので、そのイメージが強くなっています。
しかし実際には材質や形状には色々なものがあるのです。それぞれの特徴を知ることで正しく使い分けをしていきましょう。