ビールパレットの効率的な積み方とは?パレ積みのコツを解説!
物流倉庫などでしばしば目にする機会のあるビールパレット。広く普及しているので取り扱いやすいのかと思いきや、実は正しく積まないと落下や事故の可能性があって危険でもあります。
この記事では、仕事でビールパレットを取り扱っている、またはこれから取り扱う予定のある方のために、正しいビールパレットの積み方を紹介させていただきます。
Contents
ビールパレットとは
そもそも、ビールパレットとはどういったパレットなのでしょうか。実物を見ればピンとくるという方でも、もしかしたらビールパレットという用語自体には聞き覚えがないかもしれません。
ビールパレットというのは、900mm×1,100mmサイズのパレットのことを指す用語です。
物流業界で最もポピュラーなのは1,100mm×1,100mm、通称「イチイチ」と呼ばれるサイズのパレットですが、ビール搬送時には「イチイチ」ではなくこちらのビールパレットが使われます。
ビールを載せるためのパレットだからビールパレット。わかりやすいですね。ちなみに、酒類業界では「一般社団法人Pパレ共同使用会」を組織しており、ビールパレットを共同使用しています。
ビールパレットの色々な積み方
酒類の運搬と聞いて、どのような方法が思い浮かぶでしょうか。基本的には缶であれば段ボールなどの箱に、瓶であればプラスチック製のケースなどに複数本まとめて入れ、
それらをパレットに積み上げて運ぶことになります。そして、パレットへの積み方にはいくつか種類があるのです。
レンガ積み
まず考えられる方法として、レンガ積みがあります。レンガ積みとは、1つの段で荷物を縦横方向に向きを変えて並べる方法。段を重ねるごとに向きを逆にして積み上げていきます。
レンガ積みを行うと少々の振動では荷物どうしがずれなくなるため、荷崩れしにくくなります。また、商品が見やすいため検品にも向いており、倉庫に荷物を搬入するときによく使われます。
ビールパレットでも使える積み方なので、覚えておくと役に立つでしょう。
ブロック積み
数ある積み方の中でも一番簡単にできるのは、ブロック積みと呼ばれる方法でしょう。
ブロック積みとは、箱状の荷物を全て同一の方向に並べ、段ごとの配列も同じに揃える積み方です。コンクリートブロックの塀をイメージしていただければ理解しやすいのではないかと思います。
最もシンプルな積み方ですが、それだけに荷崩れを起こしやすいため、積んだ後にベルトなどで荷物を固定してやる必要があるでしょう。積極的におすすめできる積み方とは言えません。
交互列積み
交互列積みとは、1つの段では荷物の向きを揃えて並べながらも、段を重ねるごとに向きを90°変えていく積み方です。
ブロック積みと似て簡単に積むことができ、しかも重量が荷台に分散されてかかってくるため、ブロック積みよりは安定性が高いという特徴を持っています。そのうえ、ベルトを締めやすいという利点もあります。
荷物の縦横比が1に近い場合は効果が薄れるというデメリットもあるため荷物の形状を見てやる必要はありますが、
酒類の箱やケースが立方体ということは考えにくいですから、ビールパレットでも使える積み方と考えて差し支えないでしょう。
ピンホイール積み
荷物の縦横を入れ替えながら、中央に空間を空けて並べる積み方です。段ごとに向きを180°変えながら積み上げていきます。
これを俯瞰すると荷物がちょうど風車のように組み合わさって見えるため、「風車型積み付け」と呼ばれることもあります。
非常に安定性が高い反面、耐圧が弱いためあまり多くの荷物を積むことができないというデメリットがあります。
酒類の場合は荷物自体の重量がかなり重いため、ビールパレットを用いる現場においてはあまり向かないやり方と言えるでしょう。
スプリット積み
形状の異なる段ボール箱をレンガ積みすると、荷物の間に隙間ができます。この積み方はスプリット積みと呼ばれます。レンガ積みの応用バージョンとも言えますね。
レンガ積みと同様、積み付けが簡単であるという特徴を持ち、荷崩れもしにくい積み方です。ラップを巻いたりバンドで縛ったりといった作業がやりやすいこともあって、倉庫業の現場では頻繁に使われています。
ただし、この方法は荷物の形状が異なることが大前提です。同じ商品を詰める段ボールやプラケースの形状が違うとは考えにくいですから、ビールパレットに対してはそもそも使えないことが多いでしょう。
ビールパレットの積み方ポイント
ビールパレットに荷物を積みつける際、特に注意すべきと思われるポイントを紹介します。
どこにパレットを置くべきなのか考える
まず、パレットを倉庫のどこに置くかです。荷崩れのリスクを軽減するため、ネステナーを導入してその中に収めるなどの工夫が求められるでしょう。また、風雨にさらされる場所に放置しないことも大切です。
安全運転を心がける
荷物を積んだビールパレットはかなりの重量になっているため、運搬はフォークリフトで行うことになります。
フォークリフトでの事故は大けがや死亡にも繋がるため、安全運転を心がけましょう。
紐やストレッチフィルムを利用する
紐やバンド、ストレッチフィルムなどを使用して、積み付けた荷物を縛ることも有効です。荷物どうしが固定されるため、そうそうのことでは荷崩れを起こさなくなります。
オーバーハングに注意する
パレットを段重ねする場合は、オーバーハングしないように注意しましょう。
もしオーバーハングしてしまうと、パレットが安定しない状態に置かれるため、フォークリフトの走行の振動や急な地震などによって崩れてくるおそれがあります。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?この記事ではビールパレットというのがどういったものを指すのかから、様々な積み方、積む際に気をつけるべきポイントを紹介してきました。
作業を安全かつ効率的に行うために、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。