緑ナンバーに関する法律とは?メリット・デメリットをあわせて解説!
緑ナンバーに関する法律や規則についてご存師でしょうか?
この記事を読んでいる方の中には、会社として緑ナンバーを取得したいと思っている人もいるのではないでしょうか?
そこで緑ナンバーを取得するための条件や取るまでの流れを詳しく紹介します。
Contents
緑ナンバーについて
街中でよく緑ナンバーの車をみかけると思いますが、緑ナンバーは「営業ナンバー」といい、運送業者には必須のナンバープレートです。
緑ナンバーは税金が安く、車検が通常よりもスパンが早いという特徴があります。では、緑ナンバーを取得する条件はどのようになっているのでしょうか。
緑ナンバーの取り方について
緑ナンバーを取得して、運送業でバリバリ稼ぎたい。そう思っても、緑ナンバーは簡単に取得できるものではありません。緑ナンバーを取得するには、それなりの準備期間や対策が必須です。
現在は特に、運送業会にも法令尊守の波が押し寄せてきていますので、役所も簡単には緑ナンバーを発行はしてくれません。
緑ナンバーを申請してくる運送業者に関しては、細かいコンプライアンス意識や、申請書類の徹底を求めてきています。
スムーズに緑ナンバーを取得するためにも、申請のための準備期間をしっかりと儲けたり、行政書士といった書類作成を行う法律家に相談するなど、しっかりとした対策が必要です。
緑ナンバーの費用について
緑ナンバーを取得するための費用ですが、先述したように、行政書士といった法律家に依頼するか、自分で全て行うかで費用は大きく変わります。
まず、必要となる資金ですが、運輸局に登録免許税として12万円を納付しなければなりません。緑ナンバー取得時にかかる費用で、一番高額なのがこの税金です。そしてナンバープレート代が1台あたり1500円かかります。
後述しますが、運送業を営む場合、最低5台以上の貨物車を所有していなければなりません。つまり、プレート代は少なくても7500円という計算になります。
最後に印紙代です。これも貨物車の数だけ必要ですので、1台あたり500円とすると、合計2500円が最低でも発生します。
これらの費用全てを合計すると13万円かかりますが、これはあくまでも自分で全て処理をした場合の金額です。
緑ナンバー取得申請は、細かく書類を提出したり、法的な知識も必要になりますので、緑ナンバー取得申請を法律家である行政書士に依頼する人も少なくはありません。
行政書士に依頼を行なった場合、ざっくりとですが、書類作成費用、そのた経費を含め、約50万円ほどは別に発生すると考えていいでしょう。
「高すぎる」という人もいるかと思いますが、行政書士に依頼することで、時間の大幅短縮が見込まれますし、申請不許可といった最悪の事態も回避できる可能性が高くなります。
緑ナンバーを取るまでの流れについて
緑ナンバーを取得するには、定められた手続きに沿って動く必要があります。まずは資金の確認です。
緑ナンバーを取得する事業者に関しては、運送業を営むにふさわしい資金を有しているかという点も厳しくチェックされます。緑ナンバー取得のための流れは、ざっくりと説明すると以下です。
- 運輸支局で運送業許可の申請
- 法令試験受験
- 許可証交付
- 運行管理者及び整備管理者の選任届
- 事業用自動車等連絡所の届け出
- 緑ナンバー取得
緑ナンバーを取るための必要な書類について
緑ナンバーを取得する際は、事業を営むための資金を有していることを証明するために、自身の口座の残高証明などを準備しなければなりません。
また、運行管理者の資格や自動車整備士の資格を有する人材を確保する必要があります。さらに最低でも運搬車5台以上、事業所人員が6人以上といった条件を満たし、従業員の休憩場所を確保。
そして運搬車が余裕を持って停車できる駐車場の確保も必須です。極めつけは、申請者自身が運送業者を営むための法律試験に合格しなければなりません。
試験は全30問で、そのうち24問正解で合格です。緑ナンバーを取得するには、このように厳しいハードルが存在します。
また、事業者によっては、まともに申請しては申請が通らない可能性もあります。これは違法でという理由ではなく、条件がギリギリの場合などで、役所の担当者によっては、不許可になる可能性もあるからです。
そのような恐れがある場合こそ、行政書士といった専門家に依頼するといいでしょう。行政書士などは、そのような難しい申請を通すための知識や手法を有していますので、申請不許可という最悪の事態は免れるはずです。
緑ナンバーの法律について
緑ナンバーは取得条件からもわかるように、法律で厳しく管理されています。ここでは、緑ナンバーに関しての法律である、緑ナンバーの貸し借りや車検について解説すると同時に、違反した場合の罰則について解説を行います。
緑ナンバーの貸し借りについて
緑ナンバーの貸し借りは、明確な法律違反です。緑ナンバーとは、先述したように、厳しい申請条件をクリアした「運送事業者のみ」が装着を許されるナンバーになります。
つまり「国が認めた優良な運送事業者」である証明が緑ナンバーです。その証明である緑ナンバーを、申請が通っていない一般の運転手に貸し出して運送業を営ませるのはいけません。
これはいわゆる「名義貸し」になります。運送業界ではこの「名義貸し」が横行していた時代もありましたが、現在は取り締まりが強化されていますので、緑ナンバーの貸し借りは、デメリット以外の何物でもありません。
緑ナンバーの車検について
ナンバー登録されている自動車は、すべて車検を受ける必要があります。緑ナンバーも例外ではありません。しかし、緑ナンバー車と、普通乗用車では車検に対しても一定の違いがあります。
基本的に普通乗用車は、新車で購入時には初回は3年。以後2年おきに車検を受けなければなりません。
4ナンバーや1ナンバーの自家用貨物車で初回2年、以後1年です。しかし、緑ナンバー車の場合は、1年ごとの車検が義務つけられています。
これは、通常走行が普通乗用車よりもはるかに長いことが想定されているための処置ですが、守らなければ厳しい罰則がありますので注意が必要です。
車検に関してはデメリットがありますが、緑ナンバーはそのぶん、自動車税に関して優遇措置がとられています。
例えば、白ナンバーの自動車税は年間約25500円〜40500円です。それに対し、緑ナンバーは18500円〜29500円と安く、自動車重量税に関しても優遇措置がとられています。
緑ナンバーの罰則について
緑ナンバーは国から発行される証明書のようなものです。そのため、国の基準に沿った運用が義務付けられています。もし、国の基準を逸脱した行為に緑ナンバーを使用した場合の罰則はどうなるのでしょうか。
まず、ナンバー貸しが発覚した場合ですが、3年以下の懲役または300万円以下の罰金。もしくはその両方が事業者には科されます。さらに30日間の営業停止という行政処分も下されますので、かなり重い罰則といえるでしょう。
また、無許可営業とみなされた場合も、上記と同様の罰則が下されます。繰り返しますが、近年は運送業界にも法令尊守の波が怒涛のように押し寄せて来ていますので、リスクのある営業はやめることが賢明です。
緑ナンバーのレンタルについて
緑ナンバーは基本的に貸し借りは不可ですが、必要な条件と書類があれば、レンタルは可能です。しかし、緑ナンバーだけをレンタルするのではなく、正確にいうと緑ナンバーのついた運搬車をレンタルすることになります。
例えば繁忙期に、下請け会社や協力会社の運搬車が足りなくて一時的に緑ナンバー運搬車が必要な時などは、非常に有効です。やり方としては、所有者は自社名義で変更せずに、使用者をレンタルする事業者に変更します。
その後、レンタルに関する取り決めを書面などで作成すればOKです。デリケートな話になりますので、念のため、役所や専門家の意見を聞きながら進めるのが得策でしょう。
緑ナンバーのメリットデメリット
緑ナンバーを取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。緑ナンバーを取得することで得られるメリット、デメリットについて解説します。
緑ナンバーのメリットについて
緑ナンバーのメリットは、生業としての運送業を営むことができることです。白ナンバーのトラックも商品や資材を運送していますが、白ナンバーは自社の商品や資材を運送しており、運賃をもらって、他者の荷物を運ぶことはできません。
緑ナンバーのデメリットについて
緑ナンバーのデメリットは、車両メンテナンスが非常に厳しくなることです。生業として運送業を営む以上、安心、安全に車両を運行する必要があります。
そのため、緑ナンバーの車両は、車検の期間も短く、3ヶ月点検なども確実に受ける必要がありますので、費用がかさむことはデメリットといえるでしょう。
緑ナンバーのバイクについて
緑ナンバーは、車両以外にもバイクで取得が可能です。緑ナンバーのバイクも、車両と同じく、運送業に従事するために取得します。ただし、50ccの原付バイクでは取得はできず、125cc以上のバイクで取得可能です。
緑ナンバーの私的利用について
緑ナンバーの車両を私的に利用することは可能なのでしょうか。緑ナンバーの車両は「有償で貨物を運送」することが許可された車両です。
個人タクシーの運転手などは、個人利用している人もいますので、問題はありません。ただし、社内規則で禁じられていることはありえますので、注意が必要です。
ナンバープレートの色の種類について
ナンバープレートは、緑ナンバー以外にも多々あります。緑ナンバーは何度も説明しているように、運送関係の仕事のプレートです。貨物車、バス、タクシーなども含まれます。
そして一般的なナンバーが白ナンバーです。これは主に普通乗用車に使用されています。そして軽自動車に使用されている黄色ナンバー、最後に事業用軽貨物車に装着される黒ナンバーです。
他にも特殊車両用のナンバーなどもありますが、一般的なナンバーの種類は、上記4種類になります。
緑ナンバーの免許について
緑ナンバーの免許についておさらいをしてみましょう。トラックや旅客関係での違いはあるのでしょうか?
トラックの免許について
緑ナンバーのトラックは、主に荷物を運ぶ存在です。運賃が発生する商品をトラックで運ぶ場合、基本的に緑ナンバーのトラックでなければいけません。白ナンバーで走った場合、法律違反になります。
旅客関係の免許について
旅客関係とは、主にタクシーやバスといった人間を運ぶことを指します。バス会社やタクシー会社がこれに該当し、緑ナンバーが必要です。
まとめ
今回は緑ナンバーについて解説を行いました。緑ナンバーは、取得条件が厳しく、取得後も車検や点検に気を使います。
しかし、運送業を生業とする以上、必ず必要なナンバーです。間違っても、白ナンバーでいいや、という気持ちは持たないようにしましょう。