運行管理者試験の合格率は高い?低い?気になる合格率についてご紹介!
国家資格である運行管理者は貨物、旅客どちらの事業においても必須資格であり、取得することで会社内での評価につながったり、就活も有利に進めることが出来る資格です。
そんな運行管理者取得を目指す方にとって、合格率がどれくらいなのかは気になるところですよね。そこで今回は、運行管理者試験の合格率が、どれぐらいなのかについてご紹介していきたいと思います。
Contents
需要の多い運行管理者
運行管理者は国家資格です。国土交通大臣指定試験機関が行っている試験に合格した方で、かつ安全輸送の責任者としての自動車運送業者の選任を受けた方がなれる資格の事を言います。
つまり運航管理者試験に合格しただけではなれないとても重要なポストなのです。ただ、資格の取得をしておいて就職先に選任してもらえれば良いので、会社と相談して試験を受けるのが一般的です。
将来性が高いポストで、会社の保有している車両の数で必要な人数が決まっているので、選ばれる事はとても名誉な事でもある資格です。
運行管理者資格の取得について
運行管理者資格の取得をする条件や試験の内容について簡単に説明します。
基本的には運行管理の実務経験が無ければ取得はできないのですが、実務経験が無くても国土交通大臣認定の講習機関で行われている講習会を受講する事で試験を受ける事は可能です。
ちなみに運行管理者資格というのは複数の種類があって、講習もそれぞれの資格用の講習を受ける必要があるので注意が必要です。また実務経験や講習会の受講の回数によっては試験を受けなくても良いケースもあります。
受験資格
事業に車を使っている業者なら業主の区別なく受験する事が可能です。ただし運行管理の仕事を1年以上経験していなければなりません。実務経験がなければ受験する資格が得られないので注意が必要です。
ただし国土交通大臣が認定している機関で基礎講習を受ければ、1年以上の実務経験が無くても受験する資格を得られます。
もう一つ注意する事は、旅客の運航管理者試験の場合と貨物の運行管理者試験とでは受講する講習が違うので注意が必要です。
- 取得したい運行管理者資格者証の種類に応じた運行管理を5年以上経験
- 仕事をしている間に5回以上の講習を受けている方
は試験を受けなくても資格を取得する事ができます。
試験内容
運行管理者の試験は3月の第1日曜日と8月の第4日曜日にのみ行われています。つまりいつでも受験ができるわけではなくて、1年に2回しか行われない難しい国家試験なのです。
試験はマークシートによる筆記試験形式で行われています。マークシートとは塗りつぶして回答する方式で、多くの試験がこの方法で実施されています。
貨物と旅客では内容が違いますので、それぞれの試験科目を以下にご紹介いたします。
【貨物】
- 貨物自動車運送事業法
- 道路運送車両法
- 道路交通法
- 労働基準法
- その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力
【旅客】
- 道路運送法
- 道路運送車両法
- 道路交通法
- 労働基準法
- その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力
運行管理者の合格率は?
ここでは運行管理者の資格試験の合格率を、貨物と旅客をそれぞれご紹介いたします。
貨物
貨物の運行管理者試験の過去の合格率は決して高いものではありません。例えば平成2年度からの合格率について調べてみると、最高に高い合格率だったのは平成4年度の第2回試験の『88.3%』でした。
ですがその後の合格率は徐々に下がり始め、平成26年度の第1回試験では『14.4%』とかなり低い合格率となっています。他の資格と比べても合格率はそれほど高くはない事がわかります。
平成2年から平成30年までの貨物の合格率の平均は『46.2%』です。
旅客
貨物の運行管理者試験の合格率の低さに驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、旅客の方はさらに合格率が低くなっているのが現実です。それだけ運行管理者という資格の保有者は有利になります。
旅客の運行管理者試験の合格率は、平成22年度から平成30年までの間で最も低くて平成27年度の第1回の『17%』で、最高が平成23年度第2回目の『59%』となっています。平均すると『35.1%』なので決して簡単ではない事がわかりますね。
運行管理者試験のここが難しい!
合格率を見ていただいてわかるように、運行管理者の試験が非常に難しいというのがわかっていただけたでしょう。ここではどうして合格率が低いのかをわかりやすく説明いたします。
出題範囲の広さ
まず一つが試験の出題範囲が広いという事が合格率を低くしている理由です。
例えば貨物の場合は
- 「貨物自動車運送事業法」
- 「道路運送車両法」
- 「道路交通法」
- 「労働基準法」
- 「その他運行管理者の業務に監視、必要な実務上の知識及び能力」
から出題されます。
旅客の場合は
- 「道路運送法」
- 「道路運送車両法」
- 「道路交通法」
- 「動労基準法」
- 「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識および能力」
から出題されます。この範囲の広さが合格率を下げている原因となっているのです。
回答者を悩ませる選択式
試験はマークシート形式です。マークシート式は意外と合格率が高いという認識を持っているのですが、運行管理者の試験の場合はそう簡単にはいかないのです。
例えば普通なら正しいものを選ぶ二択ですが、正しいものをいくつか選べという問題もあれば、正しいものは正しい、正しくないものは正しくないといった書き方をしなくてはならない問題も多々あります。
問題によって回答の方法が違うので勘違いしてしまったりする事もあるでしょう。これも合格率を低くしている原因の一つなのです。
勉強時間が短いことも
1年に2回しか実施されない試験なので、しっかりと勉強すれば良いと考える方もいるかもしれませんが、法律に関しての勉強はそんなに簡単ではありません。しかも勉強だけをすれば良いというわけではありません。
実務経験がなくてはなりませんので、当然就職して仕事をしながらの勉強になります。となると勉強している時間にも限界があるのです。しかも問題が法律でしかも広範囲から出題されるので、勉強する時間があまりにも短く感じます。
これも合格率を低くしている原因になっているのは間違いないでしょう。
過去問題のやり込みが合格率を上げる
合格率が低く難しい試験なので自信を失ってしまう方も多いかもしれませんが、合格率を上げる方法が全くないというわけではありません。
どんな試験でも過去に出題された問題を勉強する事によって、試験の傾向を把握する事は可能なのです。
どんな問題が出題されるのかも大事ですが、過去問題の問題と解答を重点的に勉強する事も大事です。なぜならば過去問題から同じ問題が出題される事が意外とあるからです。
それにその問題が出題されるのには理由があるからです。
講習会などを受講する事も試験の合格率を上げるのに役立ちます。どんな問題が出題されやすいのかや間違いやすい箇所などについても学べるでしょう。
運行管理者試験の過去問題については書籍で販売しているものや、ネット上でも探すことができます!
まとめ
今回は運行管理者の合格率についてや、どうして合格率が低いのかについてをご紹介いたしました。合格率を上げるためには過去問題をじっくりと勉強していくと良いでしょう。
後は試験の問題をよく読んで、回答方法を間違わないよう注意すればおのずと結果はついてくるでしょう。