自衛官を退職したあとの仕事はトラックドライバーがオススメな理由とは?
2019/04/26
若年定年制及び任期制を採用している自衛官は50歳代、20歳代で退職される事になっています。そんな自衛官の新たな転職先として運送業界が注目されています。
厳しい任務や訓練を受けてきた自衛官だからこそ運送業界はオススメです!また多くの自衛官が所有している特有の運転免許も転職に有利になります。
なぜ自衛官の転職に運送業界がオススメなのか?その理由を解説します。
Contents
自衛官を辞めたい理由
休日出勤
自衛隊は特殊な職業なのですが、その一方で公務員なので、基本的には週休2日で休日に出勤した分は代休ももらえます。
しかし業務の性質上、予定通りに働く事が出来ない場合もあるようです。
特に災害が起きた場合や緊急事態の場合は、休日など関係なく任務が遂行するまで働かなくてはならない時もあるそうです。
長時間労働
自衛隊というと、激務というイメージがありますが、先述した通り自衛隊は公務員である為、休日や労働時間に関してはしっかりした規定があります。
しかし、災害時や緊急事態の発生時は、労働時間はあってないようなもので、ある意味ブラックな部分もあります。
また配属された部署により不規則な労働時間になり、新人の時期は希望の休みもなかなか取れず、長時間労働を強いられる場合もあるとのことです。
試験勉強
自衛隊には昇級があり、その昇進試験に通らないと、まず自衛隊に残る事が出来ません。
なぜかというと士長(下の階級から3番目)のままで自衛隊に残れる期間は約3任期(約6年)で、士長から曹へ昇級しなければ自衛隊に残る事が出来ないのです。
ですので、ずっと自衛隊で働くには、この昇進試験に受からなければならず、これが多くの隊員には負担になっているようです。通常の業務に加えて試験勉強もしなければならず当然体力的にも精神的にも負担が大きいですよね。
上下関係
自衛隊の世界は階級が全てなので、上下関係は絶対です。自衛隊では一時期、上官(先輩)からの行き過ぎた指導(いじめ?)が問題となった時期があり、指導、教育の仕方もだいぶ、変わってきているそうです。
それでも上官(先輩)からの厳しい指導がないとは言えないでしょう。
一般企業でも上下関係はもちろんありますが、自衛隊ほどは堅苦しくはなく、そういった部分が自衛隊を辞めたい理由としてあるのではないでしょうか。
プライベートがない
自衛隊を辞めたくなる理由でプライベートがないというのが多いようです。自衛隊員は基本的に駐屯地の中で生活します。
自由な時間はあるのですが、休日に外出するのに許可がいったり門限があったりと民間企業のように仕事が終わったら、あとは自由気まま、という訳にはいきません。
あと営内は一人部屋ではなく他人と一つの部屋で寝泊まりしなければならないなど、民間では考えられないくらいプライベートは制限されてしまいます。
自衛官を辞めたら何になる?
長年自衛隊員として働いてきて、退職後に民間の企業で働くのには不安もあると思います。ですが、退職自衛官は、厳しい規律や任務、また、教育訓練によって培われた優れた企画力・指導力・責任感を有しています。
具体的には、若年定年制自衛官は長年の任務で培った
- 優れたリーダーシップ
- 部下の教育指導能力
- 技術と強い責任感
- 総合判断力
と企画力も持ち合わせていて、企業を運営する側として業務を監督・管理する能力を鍛えられています。
一方の任期制自衛官は
- 遵法精神
- 強い責任感
- 忍耐力
- 実行力
- 団結力
- 日頃の訓練で鍛えられた強靭な体力と技術
などの素養を備えています。現場の最前線で即戦力して働ける事が期待できます。
また、自衛官は職務を通じて取得した各種の資格・免許も保有しています。実際、退職自衛官の方が
- 金融
- 保険
- 不動産業
- 製造業
- 運送業
- サービス業
などの分野で活躍し、雇用主の方からとても高い評価受けているものも多くいるのです。
自衛官が再就職先に選ぶ仕事とは
そんな企業の即戦力として期待される自衛官ですが、どんな職種を選んでいるのでしょうか?以下の表にまとめてみました。
退職自衛官の業種別就職状況
退職自衛官は、在籍中に培った能力を最大限に生かして技術専門職から運輸・生産・営業部門まで様々な業種で幅広く活躍しているのがわかると思います。
区分 | 幹部 | 准尉・陸曹 | 陸士 | |
就職援護数 | 882人 | 2,078人 | 1,537人 | |
業種 | 農林・水産・鉱業 | 0.8% | 1.7% | 0.7% |
建設業 | 4.4% | 5.5% | 13.3% | |
製造業 | 7.9% | 9.9% | 19.5% | |
卸売・小売業 | 3.0% | 3.3% | 8.9% | |
金融・保険・不動産 | 23.8% | 8.2% | 2.3% | |
運輸・通信・電気 | 10.5% | 13.7% | 18.2% | |
サービス業 | 42.0% | 54.2% | 36.9% | |
公務・団体 | 7.6% | 3.6% | 0.3% |
上記の表をみて頂くと退職自衛官の再就職先で多い業種はサービス業についで全体では運輸・通信・電気の業種が多いのがお分かりいただけると思います。
多くの自衛官退職者に選ばれるのが運送業!
こうして見てみると、自衛官退職者の再就職先として運送業界がとても人気がある事が、お分かり頂けると思います。
特に階級が陸士の若い自衛官退職者はなんと!約20%近くの方が再就職先に運送業を選んでいるのです。
現在、運送業界は大変な人手不足とドライバーの高齢化に悩まされていて、
- 強い責任感がある
- 体力もあって数々の任務をこなす
- 修羅場をくぐってきた
自衛官退職者の入社は、即戦力として願ってもいない人材と期待されています。そして今の運送業界は自衛官退職者の皆様にとって、とてもオススメな業種でもあるのです。
なぜ運送業がおすすめ?理由を説明
なぜ自衛隊員は運送業がオススメなのか?その理由ははっきりしています。運送業界は、改善されてはきているのですが、まだまだ体力勝負のところがあり、時間も不規則で朝の早い会社が多い業種です。
そういった業種なので、
- 社会人として協調性がある
- 責任感
- メンタルが強い
- 肉体労働にもこなせる強靭な体力
などがある自衛官は、この業界には絶対に必要な人材と自信をもって言う事ができます。
そして自衛官が運送業界に向いているもう一つのポイントが在任中に取得した資格になります。
2007年以降の運転免許区分の変更で4tトラックや大型トラックの免許の所有者は年々減少しており、それがドライバー不足の要因の一つになっています。
そんな中で様々な車両に関する免許を取得している自衛官はこの業界にとって貴重な存在と言えるでしょう
まとめ
ここまで、自衛官を退職したら運送業がオススメな理由を解説してきました。
規律を重んじさまざまな任務を遂行してきた自衛官という職業は運送業という業種にとてもマッチしていると思います。
また色々な車両に関する資格をもっている自衛官を将来の幹部候補として迎え入れてくれる運送会社も多くある事でしょう。
国を守るという誇り高い仕事をしてきた自衛官の皆様には、自信をもってこの業界に入ってきてもらいたいものです。