トラック運転手が起こした事故の責任は誰が保証する?
トラック運転手が事故を起こしてしまった時はだれがどのように補償を行うのでしょうか。もちろんどういった事故なのかにもよりますが、その負担責任がだれにあるかは気になるところです。
そこでここではトラック運転手が事故を起こした際の責任の所在や対処方法について紹介していきたいと思います。
Contents
加害者側が多いトラックの事故
事故が起きるときには加害者と被害者が出ることが多くあるのですが、トラックが事故を起こした場合は加害者側になることが多くなっています。
それはトラックが普通車と比べて大きい、重いために事故を起こした際は相手側の方が損傷が大きくなるからです。
そのためトラックは加害者側になってしまうのです。また、その規模から他の車や建物などを巻き込んだ大きな事故になることが多くなるのも特徴です。
トラックが事故を起こしやすい状況とは?
車線変更
トラックは普通車よりも全長、全幅があります。特に大型トラックやトレーラーなどになるとかなりの長さ、大きさになります。
こういった大型車が車線変更をすると感覚よりも車の方が長いということがあり、そのために接触事故が起きることが多くなっています。
接触しないように横や後方ばかりに注意していると前方に衝突することもあります。
交差点の左折時
こちらもトラックやトレーラーが長い、大きいために起こることです。左折時などに内輪差が大きくなることや死角ができてしまうということから内側の車やバイクを巻き込んでしまうことが多くなっているのです。
かといって大回りをしすぎると対向車とぶつかるという危険性もあります。
右折時などは自分が思っているよりも車が大きいと対向車が来ているのに曲がり切れずに車両の一部が対向車と接触して事故につながることもあります。左折、右折にはかなりの注意が必要となるのです。
高速道路
長距離トラックなどでは高速道路を長時間運転することが多くなります。そのために漫然運転になりがちで集中力が限りなく低下した状態で運転していることがあります。
そんなときには衝突事故を起こしやすく、渋滞時などでは玉突き事故に発展することも多くなっています。
トラック運転手が起こした事故の保証は?
基本は保険処理
トラック運転手が事故を起こしてしまった場合は基本的には会社の保険処理が行われることになります。
これは「業務中のミスによって損害が出た場合は労働者に負担をさせてはならない」という法令上の決まりであることも関係しています。
つまりトラック運転手が走行中に事故を起こしても、運転手個人がその補償をしなければならないということにはならないのです。
場合によっては自己負担も
しかし例外はあります。それは「運転手側に明らかに責任がある過失」の場合です。
飲酒運転だった、スマホを操作しながら運転していたといった、運転手の違反による事故だった場合などは運転手が自己負担しなければならないというケースもあります。
問題は運転手個人にどれだけの過失があるかで、その過失が運転手自身の責任である場合が問題になるということです。
無事故でもらえる無事故手当とは?
ドライバーには色々と手当が発生することがありますが、運転中に事故を起こさなかった場合に支給される「無事故手当」もその一つです。
安全運転を行って事故を起こさなかったドライバーに支給されるもので、多くの運送会社で導入されています。
こういった手当があるということは、トラック運転手にとって無事故無違反であることがどれだけ重要であるかということを指し示しています。
その支給によってドライバー側と会社側でトラブルになることもある無事故手当ですが、それでも支給されている手当としては大きなものであると言えます。
貨物事故の保証は?
高額なものは保険で
大きなもの、貴重なもの、高価なものなどを運搬することが多い運送会社では貨物保険に入っていることが多く、高額な積み荷が損傷した場合などは保険を使って対応することが多くなっています。
保険に加入していない場合などはかなりの金額の補償を会社側が行わなければならないために注意が必要です。
運転手が買い取ることも多い
保険は使用すると保険料が上がってしまうことが多いために、少額の損害の場合には使用しないことも多くあります。
破損したものが少額なものであった場合などは運転手個人が買い取ったり、会社側が現金で補償したりすることがあります。
お菓子などの食品がこういったものに当たります。
焦らない運転、作業が無事故につながる!
事故の多くは集中力が低下している状態での漫然運転か、逆に焦ってしまうことでミスが誘発されてしまって事故につながるかです。
集中力が低下している、眠気が襲っているときは無理をせずに一度停車して、運動をしたり仮眠をしたりする方が安全です。
また、配送時間に遅れそうなときなどはどうしても焦ってしまうのですが、焦って事故を起こしてしまうと余計に時間がかかることになりますし、積み荷が損傷してしまうということもあります。
これは積み降ろしも同様で、焦って積み降ろしをすると荷物を間違えてしまったり破損させてしまったりすることがあります。重要なのは決して焦らずに安全確実に作業を行うということなのです。
まとめ
トラック運転手は長時間車を運転しているためにそれだけ事故を起こしやすくもなっています。車両の大きさ、長さには注意しなければいけませんし、疲れや眠気がないかどうかも重要です。
また、時間に追われて焦っていないかなど事故を常に意識して安全運転を心掛けることが重要だと言えるでしょう。