【実録】長距離トラック運転手の生活を公開!長距離ドライバーの走行距離や1日の流れは?
2020/12/17
トラック運転手の仕事内容は理解していても、実際にどのような流れで乗務を行っているのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。
そこで、ここでは短距離・長距離を走る大型トラックドライバーの1日の流れをそれぞれ例にあげて、詳しくお伝えしていきたいと思います。
Contents
トラック運転手の1日の流れは、会社や運ぶ距離などによって異なる
トラック運転手の1日のスケジュールは会社や荷主の都合であったり、運行する距離により大きく変わってきます。
「積む、運搬する、下ろす」の基本的な作業は変わりませんが、配達する件数であったり、到着時間の指定があるために、それに合わせて時間を調整しなければならず運行開始時間が変わってきます。
また運ぶ距離によっても流れは変わり、長距離の運行であれば積み込みをした後そのまま目的地に向かい、トラックの中で休息を取って届け先の指定する時間に届けます。
このように荷物や移動距離、時間の指定などによって運転手の1日の流れは変化していくのです。
一般的なトラック運転手の大まかな1日の流れ
・出勤、出発前点呼
運行管理者がアルコールや体調の状態をチェックします。
※2018年6月より睡眠不足のチェックも義務化されます。
・会社を出発
出発前に車両点検を行い、積み込み先を確認して出発します。
・到着、積み込み
配達先の確認や商品のチェックを行い積み込みを開始します。
・出発
荷崩れを防止するため荷物を固定し出発します。
・到着
荷下ろし先に到着後、荷物の検品を行います。
・荷降ろし
検品で異常が無ければ荷下ろしを始めます。
・配車係に終了連絡
荷下ろし後に配達完了の連絡をして次の指示を受けます。
・帰社、昼食、待機
午後からの業務に備え昼食、休憩を取ります。
・会社を出発
積み込み先を配車担当者に確認して出発します。
・到着、積み込み
配達先や商品のチェックを行い積み込みを行います。
・帰社
荷物を固定し会社に帰ります。
・道具の整理や洗車、メンテナンス
使用した道具の点検をしたり早く帰った時などは洗車をします。
・終了点呼、退社
アルコールチェックを受け運行管理者と対面点呼をして業務終了です。
以上が、大まかな一日の流れになります。
長距離ドライバー・長距離トラック運転手の1日の流れの例
それでは、具体的に長距離ドライバーの1日の生活の流れを見てみましょう。
※フェリーを使用し積み込みから荷下ろしまでを1日とした場合の例です。
・8:00 出勤・点呼
会社に出勤し、アルコールチェックを受け運行管理者と対面点呼を行います。
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・8:30 出庫
トラックの点検、積み込み先や到着地の確認後、積地に向けて出発します。
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・10:00 積み込み先到着、積み込み開始
納品書と荷物を照らし合わせて間違いがないことを確認して積み込みを行います。
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・12:00 積み込み完了・出発
積み込みが終わったら荷物を固定しフェリー乗り場に向け出発します。
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・13:00~14:00休憩
コンビニや駐車スペースなどで休憩を取ります。
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・16:00 フェリー乗り場到着
乗船手続きをして乗船する順番を待ちます。
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・18:00 乗船完了
運行管理者に乗船完了の報告をして勤務終了、明日到着まで休憩です。
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・8:30 港到着
船から下船し配達先へ向かいます。
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・10:00 配達先到着
配達先が間違いないか確認して荷下ろしを始めます。
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・12:00 荷下ろし完了
荷下ろし後検品をしてもらい異常がなければ配車担当者に完了報告をして作業終了です。
短距離ドライバー・短距離トラック運転手の1日の流れの例
それでは、次に短距離ドライバーの1日の流れを見てみましょう。
・5:00 出勤・点呼
会社に出勤し、アルコールチェックを受け運行管理者と対面点呼を行います。
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・5:30 出庫
乗務するトラックの点検をして配達先に向けて出発します。
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・8:00 配達先到着①
到着後、荷下ろしを始めます。荷下ろし完了後、次の配達先へ向かいます。
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・10:00 配達先到着②
到着後、荷物を下して次の配達先へ向かいます。
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・11:00 配達先到着③
配達完了後全ての配達が完了したことを配車担当者に報告、夕積みの指示を受け移動します。
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・12:00~13:00 休憩
夕積みに向かう途中で休息を取ります。
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・13:30 夕積み先到着
商品、配達先の確認をして明日配達する分の荷物を積み込みます。
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・15:00 帰庫
積んだ荷物が荷崩れを起こしてないか、しっかりと固定されているか確認をします。
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・15:30 点呼・業務完了
アルコールチェックを受け運行管理者と対面点呼を行い退社します。
一般的なトラック運転手の大まかな1週間の流れ
長距離トラック運転手はどのように1週間過ごすのでしょうか。長距離トラック運転手と短距離ドライバーの1週間の流れを比較してみましょう。
長距離ドライバー・長距離トラック運転手の1週間の流れの例
長距離ドライバーの1週間の流れは下記のようになります。
関東から北海道や沖縄など遠くに行く場合は、月曜日に出発して金曜に戻ってくるような長期便となります。東北や中国地方、四国地方などであれば、1泊2日や2泊3日で帰って来れるでしょう。
長距離便の場合は運ぶ量が多いため、月曜に出発する場合、日曜の夜に荷積みを済ませておくことが一般的です。そのため、週休2日だったとしても、実質は週休1日半で、半日は荷積みを行う場合もあるでしょう。長距離便のほとんどは大型トラックまたはトレーラーで配送するため、荷積みはフォークリフトを使うことがほとんどです。
目的地に到着するまでは、車内やサービスエリアで休憩をとります。労働基準法で4時間経ったら30分の休憩を取ることを義務付けられているので、1日丸々走りっぱなしということはできません。目的地では営業所の休憩所や会社が用意したホテルで睡眠をとりますが、到着するまでは車中泊であることがほとんどです。
また、行きは目的地に一直線で向かうわけではなく、途中でいくつか配送することが多いです。そのため、同じ距離であっても帰りよりも行きの方が時間がかかるでしょう。帰りは配送件数が少なくなるか、空のトラックで一直線で帰るかのどちらかになります。
短距離ドライバー・短距離トラック運転手の1週間の流れの例
長距離ドライバーとの比較として、短距離トラック運転手の1週間の流れもご紹介します。
短距離ドライバーが長距離ドライバーと大きく異なる点は、短距離ドライバーは日帰り便であることです。日勤の場合、午前4時〜7時の間に出勤することが多いでしょう。運送会社によっては午前8時〜9時にスタートする場合もありますが、そこまで遅い時間に出勤する運送会社は少ないです。一方で長距離便は深夜から始まることが多いため、朝型の人には少し大変かもしれません。
長距離ドライバーは2日間〜1週間かけてさまざまな場所で荷卸しするのに対して、短距離トラック運転手はルート配送であることが多いため、毎日同じ担当エリアを回って配送することが多いです。また、短距離配送は配送エリアが狭いため、長距離配送よりも配送件数が多くなります。長距離配送の配送件数が少ないと1〜2件、多くても5件前後であるのに対し、ルート配送の場合は多いところで10件〜40件ほどの配送件数があります。
休日は、長距離便も短距離便もシフト制であることが多いです。最近は週末に固定休みを取ることができる会社も増えていますが、ドライバー職は平日休みが基本だと考えておいた方がいいでしょう。特に短距離の食品配送など土日の方が忙しくなる仕事もあります。
トラック運転手の睡眠時間や休憩、休日について
トラック運転手はどれくらい睡眠時間や休みを取れるのでしょうか?求人に出ている休日と実際にドライバーが取れる休日は異なることが多いのが現実です。例えば、求人で完全週休2日と書かれているからといって、必ず2日休めるとは限りません。
国土交通省が発表した「トラック輸送状況の実態調査結果(全体版) 」によると、1週間で休日がなかったドライバーの割合は全体では9.8%と高く、特に長距離便が多い大型トラックは 11.0%と全体でもっとも高いことがわかっています。つまり、1割以上の大型ドライバーが1週間に1度も休みを取れていないのです。
また、1運行にかかる拘束時間は全体平均で12時間26分ですが、大型トラックでは12時間50分、トレーラーでは12時間33分と、大きいトラックの方が拘束時間が長いことがわかります。さらに、短・中距離配送の1運行あたりの平均拘束時間が11時間24分であるのに対し、長距離配送の平均は16時間43分と大幅に長くなります。これは、長距離便の方が物理的な走行距離が長いこと、そして1運行あたりの平均的な手待ち時間が短・中距離に比べて長いことが影響しています。
長距離ドライバーは全ドライバーの中でもっとも拘束時間が長く、もっとも休みが少ない仕事だということがわかりますね。そのため、長距離求人での「完全週休2日」という記載は、渋滞や荷待ちがなく、全て順調に進んだ場合に週2日休めるという意味で、実際は休みが1日取れるか取れないか、ということもあります。ただし、その分しっかり稼げる仕事でもあるため、例え休みがなくても問題ないというドライバーは多く、長距離配送はハードワークにもかかわらず人気の仕事です。
最近は運送業界でも労働基準法が厳しくなっているため、長時間労働は改善されつつあります。休みが取れてお給料もしっかりもらえるという長距離求人も増えているため、転職を考えている方はしっかりリサーチして会社選びすることをおすすめします。
トラック運転手の生活を支える必需アイテムを紹介
長距離配送はトラックの中にいる時間が長いため、運転を快適にするために車内の環境を整えることが必要不可欠です。ここでは、8つの必需アイテムをご紹介します。
必需アイテム1:DCーDCコンバーター
現役の長距離ドライバーなら必ず持っているのがDCーDCコンバーター、通称「デコデコ」です。これはトラックの電圧24Vを乗用車の電圧12Vに変換するもので、充電器から装飾電球まで、さまざまな電化製品を車内で使えるようになります。最近は24Vに対応したトラック用の電化製品も増えていますが、DCーDCコンバーターがあったほうが安心でしょう。
必需アイテム2:DC-ACインバーター
家庭用のコンセントが車内で使えるようになるDC-ACインバーターも、DC-DCコンバーターと一緒に用意したい便利アイテムです。普段使っている電化製品を車内で使えるようになるため、長距離配送が一気に快適になりますよ。
必需アイテム3:ハンドルカバー
ハンドルカバーはドライバーに人気のアイテムの一つです。ハンドルを自分の好きなデザインにできるだけでなく、ハンドルが握りやすくなるため運転のストレスが減ることも魅力です。安いものであれば1,000円代で買えるものもあるため、買っていて損はないアイテムですよ。
必需アイテム4:カーテン
長距離ドライバーは半日以上を車の中で過ごすため、プライバシーを守るため、また睡眠をしっかり取るためにも、カーテンを買うことをおすすめします。遮光性のある黒のカーテンが無難でしょう。
必需アイテム5:布団や枕
長距離運転手は車内泊をすることが多いため、布団や枕などの寝具を揃える必要があります。大型トラック以上のトラックは寝るスペースがあるため、そこに必要な寝具をあらかじめおいておきましょう。ドライバーは休憩を取れる時に取っておかないといけないため、いつでも休めるように準備しておくことをおすすめします。
必需アイテム6:ハンズフリーイヤホン
長距離ドライバーは運転中に友人や家族と通話したり、音楽を聞いたりするため、ハンズフリーのイヤホンは買っておきましょう。長距離に限らず、トラック運転手であれば必ず持っておくべき必需品です。
必需アイテム7:ケトル
カップラーメンやインスタント味噌汁などを車内で食べることができるケトルは非常に便利なアイテムです。特に長距離ドライバーは、どうしても外食になることが多く、給料が高い分出費も多いと言われます。ケトルがあれば車内でご飯を済ませることができるため節約にもなりますよ。
必需アイテム8:お風呂道具
長距離トラック運転手はなかなかお風呂に入れない仕事です。営業所やガソリンスタンド、サービスエリアでシャワーを借りる場合がほとんどですが、タイミングを逃すと長時間お風呂に入れない場合もあるため、いつでもお風呂に入れるように準備をしておくことをおすすめします。
まとめ
上記した長距離と短距離運転手を例に1日の流れを比べてみると、長距離を走るトラックはまとまった荷物を輸送するため、配達件数は少なくなっていますが拘束時間は長くなっています。
逆に、近距離を走るトラックは、荷物を積み合わせて配達することが多いため配達件数は多くなっていますが、拘束時間は短くなっています。このように同じトラック運転手でも長距離と短距離では1日の流れは大きく変わるのです。