大型二種免許の取得は難しい?取得方法や費用・期間・一種との違いを紹介!
大型二種免許と言えばバスの運転に必須免許ですよね。
二種免許はその特性上、一種免許と比べて難易度が高く、取得費用も高くかかる傾向にあります。
そこで今回は、大型二種免許取得を目指す方の役に立つ情報を詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
一種免許と二種免許の違い
一種免許とは、日本国内で道路交通法の「公道」に分類される道路を運転するために必要な免許です。
乗用車を運転するために必要な免許は「普通自動車第一種免許」ですね。大型トラックの運転に必要なのも、「大型自動車第一種免許」です。
これに対して二種免許とは、バスやタクシー、ハイヤーなどの「旅客自動車」で公道を運転するために必要な免許です。
そのため二種免許の学科試験には、旅客自動車に関する問題が追加されています。また、実技試験の合格点も一種免許より厳しい採点になっています。
満21歳以上で普通免許以上の自動車運転免許を取得して3年以上が経過していること、視力・聴力・深視力検査に合格できることなどが取得条件です。
大型二種免許の取得方法は二つ
大型二種免許を取得するには、取り扱いのある指定自動車教習所で学ぶ方法の他に、運転免許試験場の一発試験に合格する方法があります。
ただし一発試験は公道を走行するため、大型一種免許または仮免許を取得している必要があります。また、学科試験もありますが、すでに他の二種免許を取得している場合は免除になります。
教習所で教習を受ける場合も、他の二種免許を保持していれば学科講習が免除となります。なお、すでに大型一種免許を保持している場合は、第1段階終了後の修了検定が免除されます。
教習所では、普通免許と同様に合宿を行っているところもあります。最寄りの指定教習所が大型自動車教習を行っていない場合は、合宿を選択するという方法もあります。
大型二種免許取得費用はどれくらい?
大型二種を取る費用について解説していきましょう。
自動車教習所に通った場合
取得費用は、現在の所持免許や地域、教習所によってかなり違いがあります。現在の所持免許が中型MT8t限定だった場合、32万円~49万円ぐらいの幅です。
雇用保険被保険者または資格喪失から1年以内の場合は、認定教習所で教習を受けるとハローワークの教育給付金制度を受けられる可能性があります。
上限を10万円として、受講費用の20%が支給されますので、気になる場合は受給資格要件を確認してみましょう。
なお、大型二種と大型特殊、さらにはけん引免許までセットでの合宿教習を行っている教習所もあります。
ゆくゆくはステップアップを考えているなら、かなりお得になっているセット教習も視野に入れてみるといいかもしれません。
一発試験
試験場での一発試験は、もし本当にすべて一発で合格できるとすれば、かなり費用は安く抑えられます。
文字通りすべての試験を一発でクリアすることができるならば、理屈の上では5万円以下で取得することができます。
とはいえ、1回で合格できることは極めて稀な上に、大型一種免許を取得していない場合は、仮免許取得後に路上教習を行う環境がなければなりません。
その費用まで考慮すると、安くても20万円~30万円程度はかかると思ったほうが現実的でしょう。
なお、最も安く大型二種免許を取得するなら、免許取得支援制度のあるバス会社に就職してしまうのが最良です。会社の費用で取得できますので、全額負担して貰える会社なら免許取得費用は0円です。
ただし、免許取得後は何年以上勤務しなければならないなどの社内規定がありますので、費用を出してもらったなら責任を持って勤務することが前提です。
所持免許によっても取得費用は変わる
大型二種免許を取得する際、現在所持している免許の種類によって金額が変わることはご説明しましたが、実際にどのぐらい変わるのかを見てみましょう。
大型一種免許を所持している場合は、30万円弱~40万円弱ぐらいです。中型免許を所持している場合はプラス8万円ほど、8t限定の中型の場合はプラス10万円ほどです。
普通一種免許または準中型5t限定免許を所持している場合は、大型一種所持に比べて15~18万円ほど上がります。
最も安くなるのは大型一種免許と普通または中型二種免許を所持している場合で、大型一種免許を所持している料金からマイナス10万円ほどです。
所持している免許がATかMTかによっても料金は変わってきますので、教習所に確認しておきましょう。
自動車教習所での受講内容について
自動車教習所ではどういった受講項目があるのでしょうか?
技能教習
普通一種免許のみ所持している場合の技能教習の時間は、1段階15時限、2段階で19時限です。
ここから所持免許によって免除があり、最も短いのは大型一種と中型二種を所持している場合で、1段階8時限、2段階5時限となります。
大型一種を所持している場合は1段階8時限、2段階10時限です。中型(8t限定)所持の場合は、1段階12時限、2段階17時限となります。
所持免許によって料金が変わるのは、このように教習時間が異なるためです。もちろん上記は最短の教習時間なので、見極めを貰えなかった場合は超過することもあります。
学科教習
学科教習は、現在何かしらの二種免許を所持している場合は免除となります。これは、大型二種免許の学科教習は旅客に関する内容となるためで、すでに二種免許を取得している人は学んでいるためです。
所持している免許が一種免許の場合は、1段階で7時限、2段階で12時限の学科教習があります。
一発試験の合格率は10%以下
一発試験に1回で合格することは極めて稀だということは先に述べましたが、実際に合格率を見てみると、その低さがよくわかるかと思います。
平成27年の大型二種免許一発試験合格率は7.2%。平均受験回数は13.9回です。中には30回近くも挑戦してようやく合格した人もいます。
二種免許の一発試験は旅客を乗せることを前提としているので、安全への配慮が大前提となります。そのため、大型車の運転に慣れているからといって、簡単に合格できるものではありません。
また、ハローワークの教育給付金制度は、認定教習所での教習を受けないと対象になりません。
安く済ませるために一発試験に挑戦したものの、結果として教習所のほうが安く上がったという事態になることも有り得ます。
大型バス運転士の責任の大きさ
大型二種免許の取得が難しいといわれるのはなぜかといえば、運ぶのは荷物ではなく旅客であるためです。人の命を預かって運転するのですから、細心の注意を払う必要があります。
もちろんトラックドライバーも気軽にできる仕事ではありませんが、トラックなら積荷の破損で済んだような事故でも、バスでは人の生死に関わります。
たとえ貰い事故でも乗客の命を守る選択ができるほどの技術と安全意識を必要とするため、大型二種免許取得への道は険しいのです。
万が一の事態が発生したとき、その責任を問われるのは会社だけでなく、運転士にも大きく圧し掛かります。旅客を運ぶ二種免許とは、命を運ぶための免許なのです。
まとめ
常に誰かの命を運ぶのが、バス運転士です。晴れて大型二種免許を取得したら、乗客一人ひとりが誰かの大切な家族であることを忘れないように、常に安全運転を心がけましょう。