タンクローリーの構造は複雑?内部・外部の構造は工夫がたくさん!

   

国の消防法では、危険物を輸送する「危険物タンクローリー」を「移動タンク貯蔵所」に区分され、運転手は「危険物取扱者」の資格が必要になります。

タンクローリーには、3つの種類があり、他にも、非危険物タンクローリー、高圧ガスローリーと大別されています。

大型タンクローリーの内部構造を見てみると、内部は4つの独立した部屋に仕切られ、安全のため積載量が一室4,000リットル以下に定められています。

えっ!中は4つに区切られているの?と驚いた人もいるのではないでしょうか?今回は、タンクローリーの構造に焦点を絞って解説していきます。ぜひ参考にしてください。

タンクローリーの主な外部構造について

タンクローリーとは、トラックの荷台の部分に大きなタンクを搭載しているものです。タンクの中には、水槽が縦に並べられて室ごとに分けられています。そのために、ガソリンや軽油など種類が違うものでも同時に独立して積むことができます。

外部構造はタンクの筒部分を銅板といい、タンクの前後の部分は鏡板といいます。ではそれぞれについて紹介していきます。

タンク上部の構造:付属装置について

危険物タンクの上部には、マンホールが設置されています。マンホールには注入口、検尺、空気安全弁があります。

注入口は、内部に危険物を注入していく注ぎ口のことです。検尺とは、長い棒でこれをタンク内に入れることで内部の液量を測ることができます。空気安全弁は、タンク内部の圧力が上がり過ぎた場合、常用圧力の1.1倍を超えると開いて空気を外に出すことで安全性を確保するものです。

タンク上部の構造:マンホールの防護枠の目的は

タンク上部には、マンホールなどを保護するために防護枠を設置することが義務付けられています(危険物の規制に関する政令 第十五条第一項第七号)。仮にマンホールから危険物が溢れ出てきても、外に流れ出ていかないように防ぐ役割を果たします。

また、タンクローリーが横転してもタンクが逆さまになって中身が逆流しないように、タンクの側面には側面枠という突起物が付けられています。この機能によって、事故などの際でも中身が一気に外に流れ出てしまったりしないようになっているのです。

タンク上部の構造:「底弁開閉」ハンドルについて

タンクの底部分には、内部の液体を排出するための底弁があります。この底弁を開閉するための底弁ハンドルは、タンクの上部にあります。この底弁ハンドルを操作することで、底弁を開閉することができます。

ただし、この方法はタンク上部に作業員が登らなければならない上に、力も必要とします。そこで最近では、エアーの力を利用した開閉機構のエア式底弁が普及しており、タンクの上部に登らなくても底弁の開閉ができるようになっています。

危険物タンクローリーの内部構造について解説

危険物タンクは、最大で30,000Lまで積載することができますが、一つのタンクに入れてしまうと運転時や作業時、事故の際などに危険性を伴います。

そのため、タンクの内部は細かく仕切られています。ここではタンクローリーの内部構造について紹介していきます。

タンク内部が仕切ってあるのは何故?

タンクの内部は、一室が4,000L以下になるように間仕切りがされています。間仕切りに使用されている板を仕切板と呼び、仕切板はタンクに溶接されていますのでタンク内部を独立した小部屋に仕切ることができるのです。

これは、30tにもなる液体を一つのタンクに載せた状態で運転をすると、加速時やブレーキ時にタンク内部で30tの流動体が激しく移動することを防ぐためのものです。さらに4,000L以下に抑えられた一室内にも、揺れを抑えるために防波板が設置されています。

違う種類のものを一度に運べる利便性!

タンク内を仕切板で分けているために、一度に色々なものを積むことができます。例えば「ガソリン」「軽油」「灯油」で、同じ配送先にすべて降ろす際などに非常に便利になっています。もちろん違う配送先でガソリンだけ、軽油だけを降ろすことも容易にできます。

このことによって配送するごとに積み場や会社に戻ることなく、そのまま次の配送先に行くことが可能となっているのです。

「混載看板」の設置について

タンク内に色々な種類のものを積んでいるときに、それぞれの室に何を積んでいるのかを表示するのが混載看板です。特にどの室に何を入れなければならないと決まっているわけではありませんので、運転手が分かりやすいように判断して表記していきます。

タンクローリーは積載物により3種類に大別

タンクローリーは運ぶものによってタンクの形、大きさ、機能が変わります。大きく分けると3種類あります。ここでは順に紹介していきます。

危険物タンクローリーが運ぶものは何?

主に石油や液化ガスなどの燃料や劇薬などの危険物を運ぶものです。タンクの材質は運んでいる危険物の種類に合わせて鉄、ステンレス、強化プラスチックなど様々です。

運んでいるものがアスファルトや液体硫黄のように、外気温で固まってしまったりするものを運ぶときは、二重保温構造になっているものや加熱装置が設置されているものを使用します。

非危険物タンクローリー運ぶものは何?

セメントや食品(牛乳、シロップなど)、飲料(水など)を運びます。一度に大量の飲料水を安全に運ぶことができる給水車は災害や断水などで飲み水が確保できないときに活躍するもので、衛生的なステンレス製タンクが使用されます。

給水車は高いポンプ圧を利用して水を放水するという機能もあり、様々なシーンで役立っています。また被災地や断水地域などで小型の容器やコップなどにも少しずつ給水できるようになっており、衛生的に維持するためのメンテナンスも行いやすくなっています。

高圧ガスタンクローリーが運ぶものは何?

名前の通りに高圧ガスを運ぶものです。高圧ガス保安法に基づいた構造でタンクは作られており、可燃性ガスは18,000L未満、アンモニアを除く毒性ガスは8,000L未満しか積載してはいけないという制限があります。

高圧ガスを積載しているために内圧などには非常に繊細で、何か異常があった際には安全弁がすぐに圧力を低下させるという機能があります。

タンクローリーのタンクの材質について?

タンクは運ぶものの性質上「丈夫」「腐食しにくい」「圧力に強い」というものでなければなりません。そのために運ぶものに適した形状をしており、それぞれにあった材質でできています。ここではそれらを順に紹介していきます。

危険物タンクローリーの形状と材質

危険物を運ぶ際は、できるだけ重心を下げるために楕円形のタンクが多く使用されています。

材質はある程度の圧力に耐えることができ、化学変化などが起こりにくい「溶接組立された普通鋼」か、より強度を高めた「高張力鋼材」が用いられています。

非危険物タンクローリーの形状と材質

こちらも水や牛乳などの液体を運ぶものとしては楕円形のものが多く使用されています。飼料などを運ぶ際には、タンク上部を広く使うことができる角型のタンクが使用されます。

材質はステンレスがアルミ合金のものが多くなっています。ステンレスは鉄とクロムの合金で腐食に強く、傷もつきにくいことが重宝されています。いくつか種類があるステンレスの中でもタンクに使用されるのはSUS304というオーステナイト系のステンレスです。

SUSはステンレス鋼のことで、加工しやすく強度の割には軽いため広く流通しています。

アルミ合金はアルミニウムに亜鉛やマグネシウムを加えた合金です。軽量で強度があるものですが、高価で加工しにくいためにあまりタンクの材質には適していません。

高圧ガスタンクローリー形状と材質

高圧ガスを運ぶ際には圧力に強くなければいけないために強度に特徴がある真円型のタンクが使用されています。これでLPガスやLNGのような内圧が高くなる高圧ガスでもはオブ事ができるのです。

材質は、高圧に耐えることができるものとして普通鋼や高張力鋼材が使われることが多くなっています。普通鋼で作られるタンクは、通常3~4枚ほどの金属版を溶接して筒状にしたものが使用されます。

トレーラー車

消防法で定める一度に運べる容量はどれくらい?

タンクの板厚は消防で3.2mm以上あることが義務付けられています。そして、そのタンクの最大用量は30000L以下とし、一室は4000L以下でなければいけません。(危険物の規制に関する政令 第十五条第一項第三号)

メーカーによって大きさや形状は違いますが、一般的な大型タンクローリーでは車両総重量は20,000kg前後と25,000kg前後のものが主流となっています。その場合は最大積載量が
10,000kg~15,000kgが目安となっています。

タンクの容量の平均はだいたい14,000L前後で、最小では12,000L、最大でも20,000L程度となっています。また、高圧ガスローリーの場合は最大容量が18000L以下、アンモニアを除く毒性ガスは8000L以下というように定められています。

まとめ

タンクローリーを町中に見かけることはあると思いますが、その内部が一室ごとに独立して仕切られていることや、タンクの材質、容量などは知らないという人がほとんどだと思います。

また、運ぶ内容によってタンクローリーにも種類があり、それぞれに適した形状をしているのが特徴的です。重要なのはそれぞれのタンクローリーの特徴を覚え、運搬する際にそれに応じて正しく使い分けることができるかということです。

タンクローリーの種類や特徴を覚え、仕事にいかしていきましょう。

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