ミキサー車の仕組みはどうなっているの?内部やドラムの構造を解説!
ミキサー車の運転手になろうとしている方、すでにミキサー車の運転をしている方にとって、どういうミキサー車が仕組みになっているのか気になりますよね。
この記事では、ミキサー車の仕組みや構造について説明いたします。
Contents
ミキサー車とはどんな車なの?
まずはミキサー車とは、そもそもどういう車なのかをご説明いたします。
ミキサー車とは
ミキサー車とは、荷台部分に回転する円筒系のドラムを備えているトラックのことであり、正式には”トラックアジテータ”と呼ばれています。使用目的は、生コンクリート工場でつくられた生コンクリートを工事現場まで輸送することです。
ミキサー車の仕事内容とは
生コンクリートの性質に変化が現れるのは、工場で練りはじめられてから90分とされており、ミキサー車は90分以内に工事現場まで生コンクリートを運ぶ必要があります。
1949年にミキサー車が誕生して以来、工事現場でコンクリートを作る手間が省け、作業負担が軽減され、品質にバラつきのない高品質なものを使用できるようになりました。車体の大きさは2t〜10tと数種類あり、現場に合わせ使い分けます。
ミキサー車のドラム部分のしくみとは?
ミキサー車のメイン部分のドラム。実際にそのドラムの中の働きや、回転数が生コンクリートがどう影響を与えるのか解説していきます。
ドラムの内蔵とその働きとは
ドラムの混合容量は0.9㎥から4.25㎥と幅広くあります。ドラム内部には、”ミキシングフレーム”というネジ状の大きな羽があり、ミキシングフレームを回転させることで生コンクリートを全体的に攪拌させたり、排出します。
生コンクリートは分離しやすいので、ミキサー車が走行中でも停車中でもドラムを回転させ、品質を保っています。
なぜ生コンクリートは品質が変化するの?
生コンクリートの主な材料は、砂・砂利・水です。比重の違う材料は、車の振動により重い砂や砂利は下に沈み、軽い水は上に浮き上がり分離します。分離することで品質が下がってしまうので、ミキシングフレームを使いドラム内の生コンクリートを攪拌させ、分離を防ぎます。
また、生コンクリートは温度の変化にも弱く、25℃を境に品質が変化します。そのため、工場で練る時点で冷却水を用いて温度を下げ、さらにドラムにも遮熱効果のあるカバーをかけ、温度の上昇を防いでいます。
ドラム以外にも知っておきたいミキサー車のしくみ
メイン部分のドラム以外のミキサー車の各部分の名前と役割について、ご説明致します。
ホッパ
車両後部上方にある、生コンクリートの投入口のことです。遮熱効果のあるカバーはホッパを中心にかけます。
スクープ
ホッパの下にあり、生コンクリートを排出するためのシュートに、生コンクリートを集めるじょうごの役割を果たします。
シュート
生コンクリートを排出するための樋のことで、上下左右に回転可能です。大型車のシュートは、シュート自体が重く作業者に負担がかかるため、その負担を軽減させるためにレバーやスイッチ操作を採用します。
水タンク
生コンクリートを排出した後に、ホッパやスクープ、シュートを洗浄するための貯水タンクのことで、その容量は200リットルにあります。
ステップ
ステップはドラムやホッパを洗浄するときに使う踏み台のようなものであり、それに乗ることで高さの高いホッパを綺麗に洗浄できます。
レバー
レバーは、車両後部左右、ホッパ付近、運転席にあり、ドラムの回転方向や回転速度を調整するものです。生コンクリートを攪拌させるには車両前方に傾けて倒し、排出するには車両後方に倒します。
基本的に横方向の動きしかありませんが、回転威力が足らない時は、アクセルペダルを踏むことで回転威力を高めることができます。最新車はレバーではなく、リモコン式のものもありダイアルで操作を行います。
ミキサー車が生コンクリートを排出するときの仕組み
実際にミキサー車が生コンクリートを排出する時の仕組みは、どうなっているのでしょうか?具体的にご説明いたします。
排出時、ドラム内部はどうなっているの?
ミキシングフレームは基本的に時計回りに回転しますが、生コンクリートを排出する際は反時計回りに回転し、アルキメデスと呼ばれる原理により排出されます。
この原理により生コンクリートの品質を保ちながら、排出することが可能です。
アルキメデスの原理とは
アルキメデスの原理とは、流体中の物体はその物体が押しのけている流体の重量と同じ大きさで上向きの浮力を受けるという原理のことです。
ミキシングフレームに沿って生コンクリートが移動し、上部にいくと下部に落ちるのでその力を使い排出します。
まとめ
- ミキサー車とは、荷台部分に回転する円筒系のドラムを備えているトラックのこと
- 生コンクリートは分離しやすいので、ミキサー車が走行中でも停車中でもドラムを回転させ、品質を保っています。