【低床4軸を乗りこなす】大型トラックの曲がり方のコツとは?左折の運転が上手くなるテクニックをご紹介!

      2020/12/18

運送業界で働いていると、2t → 4t → 大型と、運転する車両を大きくしていきたいと思うものですよね。

もちろん転職の場合でも、2tや4tと大型では給料も違いますし、何より運送業界で一番需要が多いのは大型免許を持つ運転手です。

大型トラックは運送業界ではもちろん、食品、建設、土木、農業など幅広い分野で活躍するサイズのトラックです。

大型免許を所持していない方は新たに取得をする必要がありますが、大型トラックを実際に運転するには、大型ならではの運転のポイントがあります。

そこでここでは、大型トラックの曲がり方のコツや注意点について詳しくご紹介していきたいと思います。

大型トラックの左折をうまくする7つのコツ

大型トラックで左折をうまくするコツは「7つ」あります。

対向車との距離感の確認

大型車やトレーラーは曲がるときの内輪差が大きいため、左折時に一旦右側へハンドルを切り、膨らんでから曲がらないといけないことがあります。

その一連の操作は、周囲から見ると右折をするように思えてしまいます。片側一車線の道路などでは、反対車線にはみ出ることになりますよね。

その際は対向車との距離感を確認しなくてはいけません。

対向車のスピード・大きさを確認した上で、はみ出してもぶつかることがないか、長い車体が曲がりきることができるのかを判断しなくてはいけません。

左折先の歩行者・自転車の確認

大型トラックでの左折時は、気をつけなくてはいけないことがたくさんあります。

「曲がり切れるのか」ということに気をとられてしまうと、後ろからくる自転車やバイクを巻き込んでしまったり、横断歩道を左からわたっている歩行者と接触することにもなりかねません。

左側から渡っている歩行者や自転車を確認するには、スピードを落とし、目視を行うことが必須です。

サイドミラーだけの確認では、死角が生まれるので不十分です。車高が高いことを加味して、必ず目視をしてから曲がるようにしましょう。

左折先の道路幅の確認

左折先の道路幅は、非常に重要なポイントになります。

路線バスの走っている道路であれば、全く問題なく左折することができますが、交差点の角度や左折先の道路状況(壁や家の軒先が出っ張っていないか、電柱はないかなど)を確認する必要があります。

内輪差の確認(巻き込み)

乗用車を運転しているときには気にする必要のない、内輪差。内輪差とは、カーブをした時に生まれる前輪の軌道と後輪の軌道の間の差のことを指します。

大型トラックの場合、内輪差を計算するには、

  • ホイールベースの長さ
  • 車幅
  • ハンドルの切れ角

の数値が必要になります。

大型トラックは、この内輪差が普通車の3倍以上あるので、巻き込み事故を起こすことが多くなるのです。

内輪差を把握した上で、ハンドルを切るタイミングを見計らうことが重要になります。

オーバーハングの確認

オーバーハングとは、タイヤからはみ出した車体部分のことを指します。大型トラックの場合、大きいものではこのオーバーハングが1m近くあります。

このオーバーハングを把握していないと、右左折時に対向車線に車体がはみ出し、接触や追突を招くことになります。

方向指示器を早めに出すこと、できるだけ左側に寄ってから曲がること、ミラーをよく確認することが大切です。

ハンドルを回し始めるタイミング

乗用車の感覚でハンドルを回してしまうと、内輪差によって曲がりきれないことがあります。

左折レーンから曲がる場合などは、一旦ハンドルを右に切り、キャビンがある程度前に出た状態から左にハンドルを切ります。

その際には一気にハンドルを切るのではなく、徐々に切ることがポイント。大型トラックで急ハンドルを切ることはほとんどありません。目視をしながらゆっくりとハンドルを切りましょう。

けつ振りとブレーキの感覚

大型トラックの場合は、後輪軸から最後尾までが長いのが特徴。急ハンドルを切ることで、いわゆる「けつ振り」の状態に陥ります。

大型トラックでの急ハンドルは、非常に危険な要素になりますので、絶対にNGです。

また、重量の重い荷物を運んでいるときは、ブレーキの制動距離がとても大きくなります。

急ブレーキを踏むことで、けつ振りの状態になり、横転してしまうケースも考えられるので、エアブレーキを併用して、ゆっくりとしたブレーキングをすることがポイントです。

大型トラックの左折時の注意点

次に、左折のときに注意するポイントをご紹介します。

内輪差に注意

大型トラックでの左折時に最も注意しなくてはいけないのが、内輪差です。内輪差の計算方法は「内輪差=ホイールベース÷3」で計算することが可能です。

自分の運転するトラックの内輪差を確認しないと、ポールやガードレールに接触したり、巻き込み事故を起こしてしまうことになります。

ホイールベースの長さ

ホイールベースとは、前輪と軸輪までの距離の長さのことをいいます。このホイールベースが長ければ長いほど、内輪差が大きくなるのです。

ホイールベースが長い車は、最小回転半径が大きいことから、小回りが効かないというデメリットがあります。

急ハンドルを切ることで内輪差が生じ、オーバーハングも生まれてしまうことになります。

トレッドの長さ(車幅)

トレッドの長さも左折時には注意したいポイントの1つです。

「トレッドが長い=車幅が大きい」ということになりますので、乗用車のようにキープレフトを行っていると、左折時には左側面をこすったり、ぶつけてしまうことになります。

ハンドルの切れ角

大型トラックは、乗用車に比べてハンドルの切れ角が大きくなります。これはトラックの構造が後輪駆動であること、タイヤの上にキャビンがあることによりタイヤハウスが大きいことが理由です。

また前輪にドライブシャフトがないので、切れ角は大きくなるのです。たくさんハンドルを切った時ほど、内輪差が大きくなることがポイントです。

大型トラックの右バックをうまくするコツ

次に、右バックをする際のコツをご紹介します。

バックする所の「カド」を目印に「右後ろのタイヤ」を目印に寄せるようにバック

大型トラックで右バックをするときは、バックするところの「カド」を目印にしてください。

その目印に右後ろのタイヤを寄せるようにバックをすることで、スムーズな運転ができます。

ただし、道幅や他の駐車車両などの状況によっては、一度ではなく、切り返しをしながらバックをする必要があります。

「目視」で後ろを見ながら下がりましょう

大型トラックで箱型の場合、ルームミラーが見えないというデメリットがあります。シートバルトを外し、窓を開け、目視で後方を確認しながら下がるようにしましょう。

近年ではバックモニターの装備されているトラックも少なくありませんが、目視をするクセを付けておくことが大切です。

大型トラックの左バックをうまくするコツ

次に左バックのコツです。

基本は右バックと同じ

左バックも基本的には右バックと同じです。下がっていく目標は、左の後輪を左角に合わせていきます。

左後輪が左角を超えたら、切れるところまでハンドルを目一杯切りましょう。

その際に必要なことは、トラックのタイヤの位置を把握することと、運転席とタイヤの位置関係を意識することです。

内側をギリギリに寄せて、その後はハンドルで微調整ができるようにしましょう。

右側から目視を出来るようになったら右バックに切り替える

左バックを行っていくうちに、切り返せば、右側から目視ができるような位置になったら、右バックに切り替えましょう。

左バックよりも目視ができる分、正確にバックできるようになります。

乗用車とトラックの曲がり方の違い

乗用車と比較してトラックの曲がり方で違う点を解説します。

車体の大きさの違い

乗用車とトラックの大きな違いは、車体の大きさになります。車幅も広く、車高も高くなりますが、一番の違いは車体の長さです。

後輪のタイヤからはみ出したオーバーハングは、乗用車にはありません。また車体の長いトラックの場合は、右左折時の内輪差が生じます。

普通車のように急ハンドルを切って曲がったりすると、内輪差で巻き込み事故を起こしたり、オーバーハングによって他車と接触事故を起こしてしまうことに繋がります。

走行中の車線変更、駐車時なども、乗用車とは違う目視が必要になるのです。

エンジンや運転装置の違い

トラックも乗用車も、ブレーキペダルやアクセルの位置はほとんど変わりません。ただし、トラックの場合は、MT(マニュアル)車がメインとなります。

特に大型トラックの場合は、積み荷の重さに合わせて、ギアを調節できるMT車が多いので、ATが主流の普通車との大きな違いと言えるでしょう。

またトラックのブレーキはフットブレーキの他に、排気ブレーキと呼ばれるものがあります。

排気ブレーキは、長い下り坂などでのエンジンブレーキと同じ効果のあるものです。

重い荷物を積んで、フットブレーキを多用すると、ブレーキが効かなくなってしまうので、この排気ブレーキを併用して、減速することになります。

運転席の高さ

トラックに乗ってまず思うことは、運転席が高いということ。運転席が高いことのメリットは、視界が広く、見通しが良いということです。

反対に、デメリットとしては車輌前方の真下が見にくく、死角が増えるということが挙げられます。

そのため、車線の左側を走行しているバイクや自転車については、左折時の巻き込みに十分注意しなくてはいけません。

車両感覚

車両感覚で一番異なるのは、ノーズの部分です。トラックはノーズがないので、普通車のセダンタイプよりは前方を気にする必要がありません。

ただ、乗用車では気にしない道幅や車高には注意する必要があります。

トラックの場合、当然乗用車よりは車両自体の長さがあり、幅や高さも大きくなりますよね。

自分の運転しているトラックの大きさを把握していないと、高架下を通れなかったり、車体をこすったりというトラブルに見舞われてしまいます。

ルームミラーが使えない

乗用車では、ルームミラーで後方確認ができます。大型トラックで、荷台が箱になっている場合やトレーラーなどは、ルームミラーが使えません。

そのため、後方の確認をすることができないのです。

現在ではバックモニターのついたトラックが主流になっていますが、走行中に後方の様子が掴めないのは乗用車との大きな違いになります。

事故防止のための安全対策

それでは、具体的に事故を防止するための安全対策を見ていきましょう。

ミラー・補助ミラーの確認

大型トラックには、乗用車よりも大きいサイドミラーがついています。また、サイドミラーの下にアンダーミラーという補助ミラーもついていますよね。

ルームミラーで確認ができない分、大きいサイドミラーや補助ミラーをきちんと確認することで、死角が減り、事故を防止することに繋がります。

助手席ドアを透明ガラスにする

大型トラックの助手席は、死角をなくすための大きなポイントになります。乗用車のように通常のドアでは、左側の確認ができません。

そのため、足元の部分を透明なガラスにすることで、高いキャビンからも左側の道路状況が確認できるようになります。

助手をつけ、安全確認をさせる

大型トラックは、バックの場合や道幅など、実際に車を降りて確認をしなくてはいけない状況になることが考えられます。

その際に、ドライバーが行うのではなく、助手をつけて車から降り、確認をお願いすることで、多くの事故を防ぐことができます。

窓から顔を出せば、左折時の内輪差を確認することもできますし、狭い道での切り返しの際などは車から降りて、前後左右の確認をすることができるからです。

自動音声アラームの装着

大型トラックのように死角の多い車を運転する時は、自動音声アラームの装着が、事故防止には有効な手段の1つとなります。

「左に曲がります」「バックします」「右に曲がります」など、周囲に自分のこれからの動きを知らせることで、相手もどのように動けば良いのかがわかるからです。

特にバックの時や左折時などは、周囲に知らせをすることで、無駄な接触を減らす効果があります。

まとめ

大型トラックの運転技術について解説しました。

大型トラックに最初乗るときは、距離感やカーブの感覚などが掴みづらかったりして、なかなか苦戦すると思いますが、横乗りや練習をしていけばちゃんと慣れることが出来ます。

とはいえ、大型トラックが未経験の方は、最初怖いと思いますので、研修やOJTをちゃんとやってもらえる会社をおすすめします。下記から、未経験でも育成や教育をちゃんとしてくれる企業を探してみてください。

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