トラックのバック運転が難しい理由とは?苦手意識を克服する方法を紹介!
トラックに乗り始めの方にとって、バック運転の際に乗用車と勝手が違くて困ることが多いですよね。
この記事ではトラックの運転で特にバックが苦手な方向けに、スムーズにバックできるようになる方法を詳しく紹介します。
Contents
トラックのバック運転がうまくできないと危険な理由
トラックドライバーをしている方の中にはどうしてもバック運転をするのが苦手!という方がいらっしゃいます。でもバックする時にスムーズにできないと危険です。その理由とは?
うまくできないと焦ってしまう
バックが苦手だと何度も何度も切り返しをしてしまいますが、大きなトラックの場合は何度も切り返しをすると道路を封鎖してしまう形になりかねません。するとどうしても「早くしなくては」と気持ちが焦ってしまいます。
でも何度も切り返しをすると他の車の通行を妨げる事になってしまいます。そうなるとさらに焦って思ったようにバックができなくなったりします。
この時焦らないようにしなくてはなりません。なので気持ちを落ち着けられるように心がけると良いでしょう。
事故が発生しやすい
バックが苦手な理由に後ろに何があるのかがハッキリとわからないというのがあります。不安なんだけどとりあえずバックしないとならない場合、できれば安全確認を行ってからバックをする事が大事です。
また、バックする時に左右や後ろに車があった時に、左右の車にぶつかってしまったり、狭い場所でバックしようとして焦って建物などにぶつけてしまう事もあります。困るのは物損事故ならまだ良いですが人身事故になるのが一番怖い事です。
業務に支障が出るよりも人の命を脅かしてしまう事にもつながってしまうと、余計に車の運転が怖くなったり業務ができなくなったりするので注意が必要なのです。
万が一物損事故や人身事故などを起こしてしまった場合、損害賠償責任も重くなってしまい場合によっては交通刑務所にお世話になる可能性もあります。
トラックを運転するならまずはバック運転をマスターすべき!
後ろが見えないからバックが苦手!というのはだれしも同じです。でもそれ以上に苦手を克服しないと安全に運転ができませんので、トラックドライバーになったのならば、まず一番にバックが上手にならなくてはなりません。
万が一事故などを起こしてしまうと損害賠償責任を負う事もあります。先ほども説明したように人に危害を加えるような事故を起こしてしまうと、相手の人生も自分の人生をも変えてしまう事になりかねません。
そんな事故を起こさないためにも、バック運転が苦手!という意識を少しずつ解消していかなくてはなりません。つまり苦手という意識を克服する事で事故や損害賠償責任のリスクを減らせるのです。
トラックのバック運転はなぜ難しい?
どうしてトラックのバック運転が難しいのでしょうか?ここではどうしてトラックのバック運転をするのが難しいのかについてを説明いたします。
トラックは寸法が長いので距離感を掴みにくい
普通乗用車の運転なら何も問題が無いのに、なぜトラックのバック運転になると上手にできず、バックするたびに不安になり何度も切り返しをしてしまうのでしょうか?その理由はとてもシンプルです。
普通乗用車の場合は全長がそんなに長くありません。後ろには窓もありますしバックミラーで後方を確認する事も可能です。さらにサイドミラーでも後方が確認できるので、見えないという不安は全くありません。
しかも全長が短いのでバックをする時のハンドル操作も簡単です。ところがトラックは全長が長くなるだけではなく荷台の形状によっても後方確認が非常に困難になってしまうのです。
全長が長いと後ろに何があるかわかりませんし、操作を間違うと壁や枠などに車をぶつけてしまうリスクも上がってしまうのです。
トラックは小回りできない
全長が長い大型トラックは小さな車とは違って小回りがききません。うまくハンドル操作を行うだけではなく、その車の全長や動きを把握してハンドル操作をする必要があります。
乗用車と同じ感覚で運転をすると曲がりすぎてしまったり逆に全然曲がりがたらなかったりします。繰り返し切り返しをしても問題ない場所なら良いですが、やはりプロドライバーとしては一発で車庫入れができるようになりたいですね。
どうしてもバックが苦手という方は、小さめのトラックのバックの運転で練習をして、少しずつ長いトラックに慣れるよう工夫してみても良いでしょう。もしそれが難しいなら毎日バックの練習を重ねてスムーズなバック運転ができるようになると良いですね。
トラックは運転席が高い
また、トラックのバックが難しい理由の一つに「運転席の高さ」があります。乗用車だと目線の高さが地面に近いので車の後方の確認がとても楽です。もしも障害があっても目視して避けるハンドル操作もできるでしょう。
ですがトラックの場合は運転席が地面よりも高い位置にありますので、目線の高さの確認は何とかできても地面付近の確認がおろそかになる事もあるのです。特に苦手だと思うと余計に目線の高さに事が気になってしまうでしょう。
そうなると地面の高さにある障害物や人などに接触してしまうリスクが上がります。また狭い道をバックしなくてはならない時には前方の視野の広さとのギャップがあるので、バック運転が難しくなってしまうのです。
トラックのバック運転をマスターするコツ
トラックのバック運転の不安をどのように解消すれば良いのでしょうか?ここではトラックのバック運転をマスターするコツをいくつかご紹介いたします。
バックして停車させる位置を正確にイメージする
すぐにトラックのバック運転が上手にできるようになりたいけれど案外それは難しかったりします。ではどうすれば良いのかというと、トラックを止める場所にトラックを移動させる事をイメージしながら運転をすると良いでしょう。
どのようにハンドルを切ればどの方向へ向かっていくかをイメージして、最初は広い場所でゆっくりと確実にバックができるよう練習しましょう。誰でもそうですが毎日同じ所へバックして停車すると慣れてきますよね。
ハンドルをどの程度切ればどのくらい曲がっていくのかを把握する事も大事ですし、バックする時にハンドルを切ったら戻すといった動作を繰り返す事も重要です。感覚で覚える事ができるようになるまで練習しましょう。
広い道と狭い道では感覚が違う!
乗用車でも同じですがバックする時に広い道でバックするのと、狭い場所でバックをしなくてはならない場合とでは感覚が全く違います。広い道であれば周囲を確認してスムーズに邪魔にならない位置に下がる事ができます。
ですが狭い道だと道幅の事を気にしなくてはなりませんし、周囲にある障害物や人にも気を使わなくてはならないので、スピーディーにバック運転を行う事はできません。当然注意しなくてはならない場所も多くなってしまいます。
こんな時つい焦って早く早くと思ってしまうかもしれませんが、焦って何度も切り返しするくらいならゆっくりでも良いので、確実に安全に下がった方が少ない回数でバックができます。
また運転席とタイヤの位置関係を把握したりサイドミラーの確認も大事です。
クラッチ操作のコツ
トラックのバックをする時につい半クラ(半クラッチ)でバックしてしまいがちですが、半クラッチ状態でバックをするとクラッチが焼き付いてしまうリスクが上がります。
ゆっくりとバックしたいのでついつい半クラッチを使いたくなってしまう気持ちはわかりますが、ゆっくりとバックしたいのであればクラッチをゆっくりとつないで速度を調節しながら安全にバックすると良いでしょう。
なぜ半クラッチをしてはいけないのかというと、トラックは大きく車体が重いのでトルクがあります。そのため半クラッチを続けるとクラッチが焼けてしまうのです。断続的なクラッチ操作で速度を調節するなどをする事をおすすめします。
クラッチの上手な使い方についても毎日の練習でテクニックを身につけましょう。
何度も練習を重ねる
乗用車とは違って全長が長く後ろを直接見ながらバック運転をする事は難しいです。だからこそバック運転のコツを身につけるには練習をするしかありません。
トラックに慣れてしまうまでは自分ひとりで練習をするのではなくて、バック運転が上手な先輩や同僚に指導してもらうのも良いですよね。その時に気を付けている点やコツを教えてもらうと覚えやすいかもしれません。
なぜ自分はこんなにバックが苦手なのだろうかと不安になる気持ちもわかりますが、だれしもいきなりバック運転が得意な方はいませんから、焦らずにイメージをしながら繰り返し練習をして苦手を克服しましょう。
バックカメラとモニターを活用するのもおすすめ
大きなトラックになるとバックをする時の危険を少しでも回避するために、バックカメラやバックモニターなどを搭載している車両を与えられる事もあります。
どうしても後方の確認が難しくバックが苦手な内は、こうした便利なシステムをしっかりと活用していきましょう。ただしバックモニターやバックカメラばかりを見るのではなく、周囲にも注意をしながら運転しましょう。
最近は乗用車にもバックモニターやバックカメラが搭載されている車両が多いので、こちらに慣れている方は安全確認をしながら上手に活用していきましょう。
搭載されていないトラックの場合は取り付ける事も検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はトラックのバック運転が苦手だと感じるいくつかの理由と、上手にバック運転をできない事でどんなリスクが起こるのかについて、そしてバック運転を少しでも上手にスムーズに行うにはどうすれば良いのかについてをご紹介いたしました。
最初からバック運転が上手な人はいません。だから焦らず安全確認をしながらゆっくりと慣れていくようコツを掴んで自信をもって運転できるよう、毎日練習をしてコツを掴めるよう頑張りましょう。
それでもどうしても苦手という方は、後方確認のためにもバックカメラやバックモニターなどを上手に活用して事故を防げるように工夫しましょう。自分の運転に自信が出てくれば運転も上達して、毎日の仕事がもっと楽しくなるはずです。