無事故手当とは?無事故手当の不支給問題などについても解説

   

トラック運転手やタクシードライバーの方、無事故手当という手当をご存知でしょうか?

無事故手当は、規定の期間、無事故で運転したドライバーに支給される手当です。では事故を起こしたとき、手当はどうなるのでしょうか。不支給についてのトラブルについてまとめました。

無事故手当とは

ドライバーには色々と手当が発生することがありますが、「無事故手当」もその一つです。

これは安全運転を行い、事故を起こさなかったドライバーに支給されるもので導入している運送会社などは多くあります。

しかし近年では無事故手当を減額したり、採用を取りやめたりする会社も出てきています。それは無事故手当に対する認識が共有できていなかったり、事故を起こしたときの手当取り消しにも関係しています。

そのためトラブルの原因にあることが多いのもこの無事故手当なのです。

トラブルになりやすい無事故手当

無事故手当は事故を起こさなかった月に支給されるもので、事故を起こした月には支給はされないものです。

本来の考え方からすれば翌月に無事故であったならば翌月は無事故手当が発生するはずなのですが、会社によっては事故を起こしてから数ヶ月~数年にわたって無事故手当を支給しないということがあります。

これは会社が車両保険の免責額の上限に達するまでの期間をドライバー側に補てんさせるという考え方で、これがトラブルの原因になるのです。

中にはこうして無事故手当を支給されなかったドライバーが本来発生するはずであった手当を求めて裁判を起こした例もあります。

無事故手当不支給は何が問題か

では無事故手当の不支給は何が問題となっているのでしょうか。これには大きく2つの点が考えられます。

事故の損害、ドライバーに負担させるべき?

まず事故の損害を労働者に全額負担をさせるということは法律上認められていません。仕事の上でミスをして損害を出してしまったとしてもその損害を労働者にすべて負わせることはできないのです。

つまりこの場合、事故を起こして損害を出してしまったドライバーに無事故手当を不支給にすることで損害を補てんさせるということはできないということになります。

また、労働者との合意なしに給料から天引きするという行為は法律で禁止されています。天引きする場合は労働者側からの意志があったときのみなのです。

明確でない規定

無事故違反は無事故であったということに対する「成果に対する手当」と考えられます。

ただし、会社側からの細かい説明がドライバーにされていないことも実際には多く、この規定をドライバーが正しく理解できていないことが多いのです。

また、事故を起こしたときに「何ヶ月の間、無事故手当を支給しない」とはっきり規定されていることが少なく、明確でないということが多いのもトラブルの原因と言えます。

無事故手当でトラブルを生じさせないために

無事故手当不支給は違法ではない

基本給や残業手当は会社側は支払うという義務があります。支払わない場合は違反となるので会社側がペナルティを受けることとなります。

しかし無事故手当に関しては法律で支給が義務付けられているわけではなく、会社が設定して支給しているという形式になっています。そのため無事故手当を支給しなくても違法行為というわけではないのです。

業務上の被害全額を従業員に負担させてはならない

上記でも述べましたが、業務上のミスによる被害、損害を労働者に全額負担させるということは法律で認められていません

裁判例を見ても、損害の4分の1の支払いを認めたものはあるものの、損害全額負担を認めたものはありません。

全額負担が認められるのは

  • 労働者が故意に行ったことで発生した損害
  • 労働者が個人的に利益を得るために行った横領行為

などによる場合だけです。

規定を明確にしておく

こうした無事故手当のトラブルを防ぐためには社内規定で明確にしておくしかありません。

事故を起こした場合は

  • 無事故手当はどうなるのか
  • 全額支給されなくなるのか
  • 何割かがカットされるのか
  • どれだけの期間支給されないのか

ということです。こういったことを会社側と労働者側が共通認識として持っていなければ必ずトラブルの原因となります。

まして事故を起こしたドライバーに懲罰的な意味合いでの不支給は論外です。ただただドライバーの不満が溜まるだけですので、会社側は規定を明確に定めておく必要があると言えます。

まとめ

無事故手当は法律で義務付けられているわけではないために規定が曖昧になることが多く、それだけにトラブルの原因となっています。

無事故手当を支給しないことに

  • ドライバーが納得できる根拠があるのか
  • 損害を労働者に全額負担させるための不支給ではないのか

ということを明確にしていくことが重要なのです。

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