物流二法とはどのような法律?運送業として抑えておきたい定義や背景など

   

物流二法とは、どのような法律なのでしょうか。

今回の記事では、物流二法が制定された理由・法律の内容・制定されて何が変わったのか等わかりやすく解説します!

物流二法とは?

物流二法は正式名ではない!

物流二法は、実は略称で、正式名称ではありません。

以下の二つの法律を指します

  • 貨物自動車運送事業法
  • 貨物運送取扱事業法

物流二法の制定前(1990年12月1日以前)、「道路運送法」という貨物・旅客の自動車運送事業について定めた法律が存在しました。この「道路運送法」から、現在のトラック事業規制を独立させて定めたものが、この二つの法律です。

この二つは、どのような法律なのでしょうか?

貨物自動車運送事業法とは?

貨物自動車運送事業法は、自ら運送手段を持つ事業に関わる法律となります。具体的には、

  • トラック運送事業の種類
  • 許可
  • 安全確保義務

について規定しています。

貨物運送取扱事業法とは?

貨物運送取扱事業法は、自ら運送手段を持たず、依頼を受けて輸送を依頼・手配する事業に関わる法律となります。

この法律により、通運事業法を廃止しており、当時普及していた複合一貫輸送(海陸・空陸・海空等の2つ以上の輸送手段を組み合わせ)に対応した内容となりました。

物流二法を制定した理由とメリット

物流二法が制定されて変わったこと

この法律により、従来から変わったのは、以下がポイントして挙げられます。

貨物自動車運送事業法

  • 貨物自動車運送事業は、従来免許制でしたが、許可制に変更になりました。
  • 路線トラックと区域トラック事業の免許区別を廃止しました。
  • 運賃は、従来の認可制から事前届け出制に変更になりました。
  • 過労運転の防止、過積載の禁止等の安全規制について定めました。

貨物運送取扱事業法(貨物自動車運送事業法でのポイントと連携しています)

  • 運送取次事業は登録制,利用運送は許可制となりました。
  • 運賃は事前届け出制となりました。

規制が簡素化された

物流二法による変更で、最も重要なポイントは、免許制から許可制への変更という規制の簡素化です。

規制が簡素化されることによって、貨物自動車運送事業や貨物運送取扱事業は、条件さえクリアすれば誰でも始められる事業となったのです。

2003年に改正されている

貨物自動車運送事業や貨物運送取扱事業は区別されていましたが、一般貨物自動車運送事業(不特定多数の荷主の貨物を有償で自動車を使用して運送する事業)の場合に、それらが統合されました。

大きな変更点は、以下となります。

  • 一般貨物自動車運送事業の営業区域規制が廃止されました。
  • 最低車両台数規制が緩和されました。
  • 運賃の事前届け出制が廃止されました。

物流二法を制定した理由とは?

物流二法の制定前では、旧免許制等の規制で新規参入や増車が不可能で、高まる物流のニーズに対応できていない現状が問題視されていました。

そのため、物流二法を制定すること、まず規制の簡素化を実現させることが目指されました

結果として、貨物自動車運送における新規参入を増やし、ひいては競争を促進させ、貨物自動車運送の利用をよりしやすくすることで、市場を活性化させる狙いがありました

物流二法のメリット・デメリット

貨物自動車運送事業や貨物運送取扱事業を始めたいと考えている・検討している人にとっては、「貨物自動車運送事業により参入しやすくなったこと」が大きなメリットです。

貨物運送をお願いしたいと思っている人にとっては、「貨物運送をより多くの人が様々な場所で活用できるようになったこと」がメリットと言えます。

一方で、デメリットもあります。新規参入で、トラック保有台数が10台以下の零細事業者が急増したため、運送業界の構造として、大手と、大手の下請けの仕事をとる零細事業者の二極化が進行しました。

そのため、大手は荷主企業の値下げ分を、下請けの零細事業者に転嫁させるようになり、零細事業者は過積載や長時間労働でカバーするようになってしまいました。

低運賃で仕事をする悪徳業者が一定数存在することで、業界としてうまく新陳代謝できなかった点はデメリットと言えます。

まとめ

運送業界は、当時の規制により新規参入がしづらかったため、物流二法を制定することで、規制緩和を行い、その問題を解消しようとしました。

結果として、新規参入は増えたものの、大手・零細事業の二極化が進み、必然的に運賃が低くなってしまう業界構造となり、新たな問題が発生しました。

現在も、運送業界の様々な課題に対応した法律の改正が行われています。

今後も改正や制定の際に、どのような問題を解決しようとする法律なのか、どのような影響がありそうかを理解することで、うまく情報を活用していきましょう!

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