大型免許取得の補助金って?誰でも受けることが出来るの?
2018/12/23
トラックドライバーを目指す方にとって大型免許は必要な資格ですよね。ドライバー未経験者でも大型免許を所持していれば、転職のハードルは低くなり有利に転職活動を行うことが出来るでしょう。
そんな大型免許ですが実は補助金制度があることをご存知でしょうか。
そこで今回は、その制度をうまく活用し大型免許取得に役立てられるよう、詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
大型免許取得に役立つ教育訓練給付金制度
「教育訓練給付金制度」という言葉を耳にしたことはありませんか?
通信教育のパンフレットなどにも「教育訓練給付金制度対象講座」とされているものを見かけますが、これは厚生労働省が雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として導入している制度で、厚生労働大臣が指定した条件を満たすことで、受講に支払った費用の一部が支給されるというものです。
実はこの教育訓練給付金制度に、中型・大型免許の取得が対象となっているのです。
給付金額は20%(最大10万円)
大型免許の取得費用は、地域や現在保持している免許証の内容によって違いはありますが、概ね以下のとおりです。
普通MT→35万円前後
普通AT→40万円前後
準中型5t限定MT→30万円前後
準中型5t限定AT→35万円前後
中型8限定MT→23万円前後
中型MT→18万円前後
教育訓練給付金は、かかった費用の20%(最大10万円)を国が負担してくれるので、たとえば普通MT免許を保持している人が大型を取るなら、7万円前後の金額が戻ってくるということになります。
給付条件とは?
雇用保険に3年以上加入(在職者)
現在就業中の場合は、雇用保険の被保険者期間が3年以上であることが給付条件です。途中で転職していたとしても、継続して雇用保険に加入していれば期間は通算されます。
勤務歴ではなく、あくまで雇用保険の被保険者である期間です。ただし、加入期間のブランクが1年以上ある場合は通算されません。
離職してから1年以内(離職者)
すでに仕事を辞めていて失業中の場合は、教習の開始日が被保険者資格を喪失した日(離職日)から1年以内であること、被保険者であった期間が1年以上あることが給付条件です。
前回の給付から3年以上
これまでに教育訓練給付金の給付を受けたことがある場合は、前回の給付から今回の教習開始日前日までに3年以上が経過している必要があります。
申請までの流れ
支給資格の照会
まずは自分が給付を受ける資格があるかをハローワークで確認する必要があります。
教習を受ける1ヶ月前にハローワークに行き、教育訓練給付金支給要件照会票に必要事項を記入して、受給資格の要件を満たしているか照会しましょう。
また、念のため大型免許の取得が給付の対象になるかを確認しておくと安心です。
自動車教習所への入所手続き
教育訓練給付金の支給要件を満たしていることがわかったら、教育訓練給付金制度の対象となっている自動車教習所への入所手続きです。
自動車教習所では、教育訓練給付金制度を利用しての教習を希望している旨を伝えた上で、入所手続きをします。
費用の支払いが生じますが、必ず領収書を受け取って保管してください。教習終了後にハローワークで給付金申請手続きをする際に必要となります。
自動車教習所で講習を受ける
現在所持している免許の種類に応じて教習時間は変わります。給付金は後から支払われますので、受講料は一旦自分で負担する必要があります。
なお、合宿でも教育訓練給付金制度の対象となっている教習所もあります。「お住まいのエリア+教育訓練給付金制度+大型免許+合宿」というキーワードなどで検索してみることで、対象となっている教習所を探すことができます。
自動車教習所を卒業する
無事に教習を終えたら、自動車教習所で「教育訓練給付金支給申請書」と「教育訓練修了証明書」を交付してもらいます。
これらの書類は教育訓練給付金の申請に必要となる大切な書類です。紛失しないよう、領収書と合わせて大切に保管してください。
職業安定所で教育訓練給付金の申請を行う
教習所でもらった書類と領収書を持って、教習終了から1ヶ月以内にハローワークで申請手続きをします。
在職中の人は雇用保険被保険者証が、離職中の方は離職票が必要です。また、本人確認書類とマイナンバーが必要です。
給付金を送金するための口座番号がわかるよう、送金を希望する金融機関の通帳またはキャッシュカードも忘れずに持参してください。
不安があるようでしたら、ハローワークに必要な書類を確認しておくことをおすすめします。
審査後に給付金支給
申請を終えたらハローワークで審査に入ります。無事に審査を通過すれば、指定した口座に教育訓練給付金が送金されます。審査に必要な時間などはハローワークに確認しておきましょう。
大型免許だけではない教育訓練給付金
教育訓練給付金制度の対象となっている講座は、実はとてもたくさんあります。あらゆる分野にわたっての制度ですが、運輸業にも対象となっている資格が多数あります。
ここまででご紹介した大型自動車免許は、第一種だけでなく第二種免許も対象ですので、バスの運転士への転職に役立ちます。
普通自動車二種免許も対象ですので、タクシー運転手への道も広がります。その他にも、大型特殊や中型免許、さらにはけん引免許も対象となっています。
そして、トラック運転手には必須ともいえるフォークリフト運転技能講習も対象です。また、クレーンや玉掛け、危険物取扱者も給付金の対象となっていますので、ドライバーとしての業務の幅を大きく広げることができます。
教育訓練給付金制度を活用しよう
教育訓練給付金制度をうまく活用することは、今後も同じ運送業界で仕事を続ける場合でも、新たな資格を取得することで選択肢が大きく広がります。
大型やトレーラードライバーへのステップアップもできますし、手積み手降ろしのない業務への転職を視野に入れることもできます。
運輸業に関わる資格を多く持っているということは、それだけで運送業界での転職や就職を有利に進めることができるのです。
資格がないからと除外していた分野に手を広げてみるのもいいですね。
まとめ
ドライバーの人手不足が常態化している昨今、資格を持つドライバーは運送会社にとって非常に重要な存在です。
教育訓練給付金制度は、雇用保険料を納付している人の権利です。国が導入している制度を有効活用することがスキルアップに繋がるのなら、是非とも活用したいですね。
いざというときのためにも、資格は多いに越したことはありません。この機会に新たな資格を取得して、将来を見据えたビジョンを描き、末永く働けるよう自分を見つめ直すのもいいですね。