レッカー車を運転するには免許が必要?取得するための期間や費用は?
レッカー車を運転しようとしている人にとって、必要な免許は気になるところですよね。
レッカー車を運転するためには、どのような免許や資格が必要になるのでしょうか?
この記事では、必要とされる免許の種類から取得できるまでの流れを具体的に紹介していきます。
Contents
レッカー車とはどんな乗り物?
レッカー車とは、他の自動車の前輪もしくは後輪を吊り上げて牽引することのできる特殊用途自動車です。
故障車や駐車違反車の牽引に使われているのを見たことのある方も多いでしょう。自走させることができない車をその場からどかす用途で使用されることが多い、と言えますね。
レッカー車を使用している職場の例としては、
- JAFのロードサービス隊
- 警察
- 消防署
- 自衛隊
- 自動車修理業者
などがあります。
レッカー車の種類にはどんなものがあるのか
レッカー車の小型・中型・大型の分類は、通常のトラックの分け方に準じます。そもそも本体はトラックなのですから当然のことと言えるかもしれませんね。
- 小型レッカー車・・・軽自動車や普通自動車
- 中型レッカー車・・・2トントラックから大型車
- 大型レッカー車・・・大型トラックやバス
をそれぞれ牽引することができます。
また別の種類として、車を牽引するのではなく荷台に載せて運べる「フルフラット型積載車」というタイプも存在します。
レッカー車の装備はどんなものがあるのか
レッカー車の主な装備としては、
- 牽引したい車を下から持ち上げる「アンダーリフト」
- 車を牽引するための「レッカーブーム」
が挙げられます。
また、被牽引車のタイヤが回らない場合に備えて「ドーリー」という補助車輪を備えています。
このほか、
- 車両を吊り上げるためのクレーン
- 作業中に車体を安定させるためのアウトリガー
- 被牽引車の車輪を抱え込んで固定するピボットアーム
といった機材を装備しています。
レッカー車の運転に必要な免許の種類
レッカー車の大きさや被牽引車のサイズによって、運転のために必要となる免許が変わってきます。また、牽引用の車両と言うからには牽引免許が必要なのかと思ってしまいがちですが、必ずしもそうとは限らないため混乱する人も多いようです。
具体的にはどんな場合にどの免許が必要となるのでしょうか。それぞれ場合分けして詳しく見ていきましょう。
小型トラックにレッカーが搭載されている場合
まずは小型トラックにレッカーが搭載されている場合について。
このケースでは、普通免許で運転しても法令違反にはなりません。車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の小型トラックは普通免許で運転できる車の範疇に収まるからです。
また、牽引免許が必要となるのは被牽引車の車両総重量が750kgを超える場合の話なので、たとえば軽自動車などを牽引するのであれば牽引免許も特に必要ないことになります。
レッカーの重さが750㎏を超えるものを牽引する場合
先に述べたとおり、被牽引車の車両総重量が750kgを超えている場合は、牽引免許が必要となります。
注意しなければならないのは、牽引免許はあくまでも車両連結部分に関しての免許なので、車の運転自体には対応する免許が別途必要になるということ。つまり、牽引免許を単体で持っているだけではレッカー車を運転することはできません。
普通免許と牽引免許を取得している場合は、車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満の被牽引車を牽引できます。
レッカー車が大型の場合
大型レッカー車を運転したいのであれば、大型免許もしくは大型特殊免許が必要です。大型免許を所持していると、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の車両を運転できるようになります。
また、大型特殊免許を持っている場合は、キャタピラ式や総輪式など特殊な構造をもった自動車のうち最高速度が15km以上出せる性能を持ち、車体の長さ4.7m以上、幅1.7m以上、車高2.8m以上となる自動車が運転できるようになります。
もちろん、被牽引車の重さが750kgを超えている場合、牽引免許が必要となることは変わりありません。
トレーラーバスを運転する場合
牽引免許には二種免許というものもあります。これがどういうものなのかというと、被牽引車両に旅行客などを乗せ、運賃を取って運転する場合に必要となる免許のことです。トレーラーバスはこれにあたります。
観光地やイベント会場への旅客運送を業務とするバス会社に勤務したいという方は、牽引二種免許を取得しておくと有利になるでしょう。
牽引免許を取得するときの条件
牽引免許の取得条件をまとめましたので、レッカー車を運転する仕事に就きたい方は目を通しておいてください。
満18歳以上である
牽引免許を取得するためには、年齢が18歳以上であることが条件と定められています。
運転免許を持っている
- 大型免許
- 大型特殊免許
- 中型免許
- 普通免許
のいずれかを取得済の人でなければ、牽引免許を取得することはできません。
視力・色彩判別・聴力・深視力の検査に合格する
- 視力が両眼で0.8以上
- 片目でそれぞれ0.5以上
であることが求められます。メガネやコンタクトレンズの使用は構いません。また色彩判別能力に関して、交通信号機の色が識別できることも牽引免許の取得要件の一つです。
このほか、
- 10メートルの距離から90デシベルの警報が聞こえるだけの聴力を有していること
- 深視力検査で誤差が2cm以下であること
が必要とされます。もちろん他の運転免許を取得するときと同様、自動車の運転に障害を及ぼす身体障害がないこともクリアしなければいけません。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?
この記事では
- レッカー車というのがどういった車両であるのか
- レッカー車の種類
- 運転するために必要とされる免許
- 牽引免許の取得方法
などについて紹介させていただきました。レッカー車のドライバーとして仕事をしたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてみてください。