物流診断・物流コンサルティングとは?メリット・事例・費用を詳しく紹介!
「物流診断サービス」というものをご存知ですか?
うまく活用できれば、物流に関する問題を解決したり、経営を効率化させたりすることができるサービスです。
運送会社の営業所に勤めている人や、運送事業を営んでいる人なら気にせずにはいられませんよね。
そこで本記事では、物流診断の特徴やメリット、活用方法に至るまでを徹底的に解説していきます。
Contents
物流診断とは?
まずは物流診断サービスの概要について押さえておきましょう。どんなサービスを提供しているのか、これまでの活用事例にはどのようなものがあるのかなどを紹介します。
どんなサービス?
物流診断サービスについて簡単に言い表すならば、「顧客の物流の管理力や現場の運営力を活用し、診断するコンサルティングサービス」ということになるでしょう。
データベースをもとにコンサルタントが顧客の物流の強みや弱みを分析し、新たな施策を講じるための支援を行うことを目的としています。
具体的な手法としては、
- ヒアリングや視察によって現状を分析する簡易診断
- どんな規模の物流拠点をどの地域に配置するのかといった提案
- 物流センター内の作業者の動線や動作分析
- 物流にまつわる各種データの定量分析
- 販売数や調達リードタイムを考慮した適正在庫量の算出
などが挙げられます。
どういう時に利用するの?
業務の効率化はあらゆる企業にとって常に悩みの種となります。一口に業務効率化といっても様々な切り口がありますが、中でもロジスティクスはコストを削減すべき最たるものだと言えるでしょう。
しかし、物流改革をしようと考えるなら、まずは現状を正しく認識できなければ始まりません。
- どこから業務改善に着手すべきなのか見極めたいとき
- 全体の流れのうちどこにコスト削減の余地があるのかを把握したいとき
などに物流診断を利用すると、自社の物流にまつわる課題を発見することができ、改革のためのアクションを起こしやすくなるでしょう。
活用事例
ところで、これまでに物流診断サービスを利用して業務の改善を行った企業にはどのような例があるのでしょうか。
著名な企業としては、たとえば花王が挙げられます。
花王はフィールド業務の支援のためのモバイル統合基盤を構築し、現場でのコミュニケーションを向上させて業務効率をアップさせたのですが、この背景には物流診断がありました。また、世界中のグループ企業の基幹システムを統一したのも物流診断サービスあってのことです。
別の事例では、飲料や調味料のメーカーとして知られるカゴメも、物流診断サービスを利用して販売システムを刷新、IT基盤を整備して業務を改善したことがあります。
他には、JR四国や京王グループといった鉄道関係の会社も、物流診断によって財務会計業務に関する課題を解決したとして有名です。
物流診断のメリット・活用方法
物流診断サービスを利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのようにして活用すればよいのでしょうか。
物流改善を行いたい
先述したとおり、物流診断サービスを利用する目的は、最終的に物流改善へと繋げることです。どこに解決すべき課題が潜んでいるのかを洗い出すために、外部からプロのコンサルタントを招いて診断してもらうわけですね。
物流診断サービスを提供している事業者はいくつかありますが、各社とも秘密保持契約を結びますし、データベースも厳重に管理していますので、情報が部外者に漏れるなどの心配は無用。安心して利用することができるでしょう。
物流センターの改善
数値分析を行ったりサービス要件について検討したりすることで、物流拠点の位置の最適化が可能です。先も少し触れた話ですが、どの地域にどんな規模の拠点を置くのか、ということに対して最適な回答を導くわけです。
また、センター内の業務改善にも物流診断サービスが役立ちます。
- 作業者の動線・動作に対する定性的な分析
- 各種物流データの定量分析
という二面からのアプローチにより、
- 倉庫レイアウトの改善案
- マテハンを含めたシステム関係の提案
などを受け取ることができるのです。
在庫の分析・倉庫の改善
- 販売数
- 在庫量
- 調達リードタイム
といったデータから商品別の適正在庫量を割り出すことができます。
在庫を削減できればキャッシュフローの改善に繋がりますし、外部倉庫費を削減することもできます、発注点管理を導入することによって欠品を減らし、販売機会の損失を防ぐことも可能になるでしょう。
そうして削減したコストは、物流サービスの他の部分を改善するための原資に充てるなどして活用できます。
配送コスト削減
輸配送分析によって配送コストの削減を図ることができるのも、物流診断を利用するメリットの一つです。
先に述べた物流拠点の最適化によってルートの無駄がなくなりますし、コストシミュレーションを行うことで輸配送コストのバランスを見直すこともできます。
また、輸配送の無駄がなくなるということは、その分トラックを余計に走らせなくてもよくなるわけですから、ドライバーの労働環境の改善や環境負荷の低減といったことも期待できます。
ブラック企業問題で世間の目が厳しくなっているとともに、企業の社会貢献にもいっそう視線が注がれている時代でもありますから、物流診断サービスを利用することで企業のイメージアップを狙えるのであれば前向きに検討してみるのも悪くないのではないでしょうか。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?
昨今、物流の担当者に求められる水準はどんどん上がってきており、改善を行うにも専門的な統計分析の知識が欠かせないような状態になっています。
その点、物流診断はまさしく需要を満たすサービスと言えます。外部からプロのコンサルタントを招き、視察に来てもらったり種々のデータを分析してもらうことで、日々の物流業務の中に隠れている問題点を掘り起こすことができるのです。
きちんと活用することができれば抜本的な業務改善に繋げることも不可能ではありません。もし今管理している物流拠点に課題があるようなら、一度見積りを取ってもらうのがよいでしょう。
自社の中にいては気づけなかったような課題が見つかるかもしれませんよ。