パッカー車の積載量はどのくらい?ゴミ収集車の過積載に注意!
2019/06/11
パッカー車(ゴミ収集車・塵芥車)を運転する際には積載量と荷台容量の関係をよく知っておく必要があります。パッカー車の種類によっては取得している免許では運転できない場合があるので注意しましょう。
今回はパッカー車を運転する方に知っておいていただきたい、パッカー車の積載量と免許の種類、運転する際の注意点などを紹介します。
Contents
パッカー車(ゴミ収集車・塵芥車)の積載量と荷台容量とは
パッカー車については、いくつかの種類があります。具体的には、回転式、プレス式、荷箱回転式などが挙げられます。基本的に、パッカー車への積載を考える際には、積載量だけでなく、荷台容量にも注目しなければなりません。
ただ、同じ2tタイプのパッカー車でも、積載量と荷台容量の値についてはメーカーや車種によって違います。したがって、一概には言えないのです。そこで、ここでは目安の値をご紹介しましょう。
- 2tパッカー車/積載量2t/荷台容量4~4.2立米
- 4tパッカー車/積載量2~2.8t/荷台容量8~10立米
パッカー車の圧縮形式と排出形式
パッカー車は集めたゴミの圧縮の仕方と排出の仕方にいくつかの種類があります。
圧縮方式
・プレス式(圧縮版式)
こちらはゴミを2段階でプレスする強力な方法です。手前のプレスプレートでゴミを細かく粉砕していき、その後、押し込み版を使ってさらに押し込んで粉砕圧縮をかけるというものです。
一般のゴミだけでなくテーブルのような家具や小型冷蔵庫のような家電すらも粉砕するほどのパワーがあります。
・回転板式(巻き込み式)
手前のゴミを回転板が荷箱にかきこんで、押し込み板で奥に詰め込んでいくというものです。プレス式ほどのパワーがないために堅い鉄製品のようなものが混じっていると作動しなくなります。
そのため大型のゴミや家電などには使用できませんが、一般のゴミや枯れ木、枯れ枝などの植物を集めるのには適しています。
・ロータリー式(別名:荷箱回転式)
大きな円柱型のドラムがゆっくり回転しながらゴミを巻き込んで荷箱に詰め込んでいくタイプです。使いやすく、汚水が飛び散らない、掃除しやすいというようなメリットがあるのですが、圧縮力が弱く、積載量も少ないので最近ではあまり見ることがありません。
排出方式
・プレス式(押し出し式)
排出板を使って注射器のようにゴミを押し出していく方法です。排出力が高いために多く採用されています。
・ダンプ式
ダンプのように荷台を上げてゴミを一気に排出する方法です。細かいゴミが残りやすいというデメリットがあるものの、軽いゴミが多い回転板式のパッカー車と相性が良い方式です。
・荷箱回転式
荷箱の中のスクリューを使用してドラムを逆回転させてゴミを排出する方法です。
パッカー車の運転に必要な免許とは
パッカー車については、2t車もあれば4t車もあります。そのため、旧普通免許で運転できるタイプもあれば、運転できないタイプもあるのです。そこで、2tパッカー車を運転する場合に必要な免許と、4tパッカー車を運転する場合に必要な免許をそれぞれご説明しましょう。
- 2tパッカー車:準中型免許もしくは8t限定中型免許以上
- 4tパッカー車:8t限定中型免許以上
普通免許を2017年3月11日までに取得した場合については、多くの2tパッカー車を運転することができます。ただ、パッカー車を運転する仕事がしたい場合、準中型免許や8t限定中型免許だけでは心細いです。それらの免許では運転できないタイプのパッカー車もありますので、融通が利かない感じがしますよね。そのため、柔軟に対応できるように大型免許を取得してはいかがでしょうか。
また、最近のパッカー車についてはオートマ仕様のものも多いですが、未だにマニュアル車もあります。したがって、その点もきちんと踏まえておくことが大切です。
パッカー車を運転する際の注意点
パッカー車を運転するにあたり、最初のうちは車幅の感覚に慣れるのに苦労するかもしれません。ただ、その点に慣れてしまえば、後はあまり難しいところはありません。ただ、注意すべき点はありますので、具体的にご説明しましょう。
発進と坂道におけるギアを意識しよう
パッカー車の場合、2速発進が基本です。また、坂道については1速にしましょう。急な坂道を2速や3速でいこうとすると、パワー不足によるトラブルが発生する可能性があります。
ゴミ処理場でのシフトミスに注意しよう
パッカー車のシフトパターンについては、しっかりおぼえておく必要があります。もし、ゴミ処理場においてシフトミスをしてしまい、「発進するつもりがバックしてしまった」ということになると、事故につながる可能性があります。
収集場所をきちんとおぼえよう
パッカー車を運転してゴミを収集していく場合、それぞれの収集場所がどこにあるのかをおぼえる必要があります。回収ルートをおぼえるのが遅いと、スムーズな業務の遂行が難しくなってしまうのです。
また、収集場所までの移動と、ゴミを積み込むという作業を繰り返すことになりますので、最初のうちは少し大変です。そのため、一連の作業になるべく早く慣れることが大事です。
パッカー車の事故事例
巻き込み事故
事故内容
パッカー車の回転板内に作業員が巻き込まれる
原因
回転板内に誤って投入した異物を取り除こうとして手を差し入れた、本来作業は1人で行わず2人で行うものであるのに1人で作業を行っていた。
対策
・作業を必ず2人で行うこと
・投入するゴミと異物を明確に仕分けしておくこと
・緊急停止スイッチをすぐに使用できる状態にしておくこと
パッカー車の火災
事故内容
パッカー車に投入したスプレー缶による火災事故
原因
中身が入っているスプレー缶を回転板内に投入していたために摩擦などの原因により発火、炎上したものである。
対策
スプレー缶やカセットボンベなどは必ず残量を確認し、ガス抜きを行うこと
まとめ
パッカー車のサイズは2tか4tで変わることを理解して頂けましたでしょうか。積載量を守らないと、違反になり取り締まられてしまうため、注意して仕事に取り組みましょう。