排出事業者とは誰が担う?産業廃棄物処理法の定義や委託する場合などをわかりやすく解説!

   

産業廃棄物収集運搬業に関わっている人にとって、排出事業者が誰になるのかはわかりづらいですよね。

委託するケースも多いため、複雑な構造になってしまい、担当者不明になってしまうこともあります。

廃棄物処理法における「排出事業者」とはどんなものなのでしょうか?何をする人のことなのか、排出事業者の判断ポイントなどを徹底解説!

廃棄物処理法とは?

まずは廃棄物処理法とは何か?この法律でどんな事をしなくてはならないのか?さらになぜこの法律ができたのかについての基礎の部分をご紹介いたします。

廃棄物処理法の正式名称

私たちが普段耳にしている「廃棄物処理法」というのは正式名称ではありません。正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」と言います。この法律は昭和45年に改定されました。

ごみを廃棄する時には種類ごとに分別しなくてはならなくなり、それまでのようにどんな廃棄物もぽいぽい捨ててしまうわけにはいかなくなってしまったのです。

廃棄物処理法は全ての廃棄物に対して、それぞれに合った方法で処理しなくてはならないなどの基本的な決まり事がつまった法律なのです。

この法律があるからこそ現在ごみはきちんと分別されて排出されているわけですね。

法律の内容

国民や地方自治体そして事業者の出すごみの処理責任と処理法をまとめた法律です。一般家庭でのごみの分別と廃棄の方法はもちろんの事、特に事業者が廃棄するごみの正しい廃棄方法などを盛り込んだ法律となっています。

2000年の改正からは排出事業者に対して最終処分の確認を義務付けたり、不適切処理に対する罰則の強化などがもりこまれました。

特に2005年の改正によって産廃管理表というマニフェストに虚偽の記載には罰則が強化されています。また、無許可の廃棄物輸出についても罰則が強化されています。

簡単に言えば廃棄物に対する分別や正しい処理方法、そしてそれを怠ったものや虚偽の申請をしている事業者、許可なく輸出した業者に対する罰則についてが盛り込まれた内容となっています。

罰則規定は?

もしも廃棄物処理法に違反した場合には罰則を受ける必要があります。違反の内容によって罰則は変わってきますが、内容によって悪質であると判断されば場合には「刑事処分」を受ける事があるので注意しなくてはなりません。

  1. 5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金または併科(法第25条)
  2. 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこの併科(法第26条)
  3. 2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこの併科(法第27条)
  4. 1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(法第27の2)
  5. 1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(法第28条)
  6. 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(法第29条)
  7. 30万円以下の罰金(法第30条)
  8. 両罰規定(法第32条、対法人)
  9. 20万円以下の過料(法第33条)
  10. 10万円以下の過料(法第34条)

なぜ制定された?目的は?

産廃物処理法は昭和45年に制定され、その後は改正を繰り返して現在に至っています。つまり昭和45年以前にはあまりごみに対してうるさくなかった事になりますよね。それがどうしてこんなに厳しくなったのでしょうか?

その背景には産業が発達して工業も活発化してきた事と強く関係しています。それまでは不要なものは全て普通に捨てられてきました。特に工場から排出される排水は海や川に垂れ流しの状態でした。

水質汚染によって魚や貝などが汚染され、その汚染された魚や貝を人間が食べた事によって、原因不明の病気を発症する例が増えたのです。

いわゆる公害というものですね。この公害こそが現在の廃棄物処理法につながっているのです。

正しい廃棄処理を行う事で汚染を無くし人間を含む動植物の生態系を崩さないようにするために必要な法律だったのです。

排出事業者とは?

産業廃棄物や一般の廃棄物は正しく処分されなくてはなりません。そこで排出事業者が必要になってくるのです。ここでは排出事業者についてをわかりやすく説明していきましょう。

排出事業者の定義とは

産業廃棄物はあらゆる分野で排出されます。一般家庭から出るごみも事業者から出るごみも全てが廃棄物として扱われるからです。

そこで疑問が生じます「排出事業者とは誰か?」という問題です。実は廃棄物処理法では、これが排出事業者である!という定義はありませんでした。

なぜならば、第3条に「事業者はその事業活動に伴って出た廃棄物を、自らの責任で適性に処理しなければならない」となっているからです。

原則としては廃棄物を排出する事業者が自社で分別を行って適切に処理します。でもそれを処理業者に委託する事も非常に多いのです。なので法律的に見れば排出する企業こそが排出事業者となるのです。

排出事業者とは何をする事業者?

排出事業者は業務を行った際に出た廃棄物を分別して適した処理を行う業者です。例えば産業廃棄物の処理を事業としている企業がこれに当たります。ただし例外もあります。

それは建築業界です。建築業界は他の業種とは違って複数の下請企業とつながりがあります。ですが契約を交わした元請業者が必ずしも廃棄物を処理するわけではありません。

本来なら元請業者が行うべき処分を業者に委託するには、下請業者との間で処理委託契約、マニフェストの交付を義務付けられました。これは建設業界のみの特例措置となっています。

排出事業者責任とは

廃棄物処理法によると「事業者は事業活動で生じた廃棄物を自らの責任で適性に処理しなくてはならない」とされています。その内容は以下の通りです。

  • 事業者は産業廃棄物を自ら処理する
  • 特別管理産業廃棄物が出る事業においては環境奨励で定める資格を持つものを「特別産業廃棄物管理責任者」として設置する
  • 事業者が自ら処理する場合にはの規定を守る
  • 事業者が処理を委託する場合の規定を守る
  • 処理を委託する場合は産業廃棄物管理票の交付(マニフェスト)の規定を守る
  • 破棄物が最終処分されるまでの流れにおける適正処理の確認を行う
  • 委託廃棄物の処理の状況に関する確認、適切に処理を行うために必要な措置の実施努力の規定
  • 多量排出事業者の規定
  • 建設工事に伴い生じる廃棄物の処理に関する例外として、建設工事において生じる廃棄物の処理についての規定を守る

排出事業者責任は、産業廃棄物の処理を行うこれらの規定を守らなくてはなりません。

排出事業者のまとめ

ご紹介したように現在では産業廃棄物の処理には厳しい規定が設けられています。産業廃棄物処理を含む全ての事業者はこの規定に則って適切に廃棄物を処理しなくてはならないのです。

もちろんほとんどの事業者がこの規定を守っていますが、廃棄物処理法は年々改正されていますので、改正されるごとにその規定に則った事業を行う必要があります。

この規定に違反した場合には厳しい罰則があるので、毎年改正があるたびにチェックを行うのを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回は廃棄物の排出事業者についてのお話をいたしました。排出事業者とは何か?そもそも廃棄物処理法とはどんなものなのかについてもご紹介いたしました。

そして事業で排出された産業廃棄物の処理は処理法に則って行います。くれぐれも違反して厳しい罰則を受けないよう努力していく必要があるのです。

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