大型トラックでの独立の方法とメリット、デメリットをご紹介
2019/01/11
大型トラックドライバー経験者のほとんどが、一度は考えたことのある独立。自分のトラックを持ち自分で仕事を受けて、いつかは独立したいと考えているドライバーは多いのではないでしょうか。
しかし実際に独立を考えてもどのようにしたらいいのか良く分かりませんよね。そこで今回は、大型トラックで独立するための基礎知識やメリット、デメリットについて詳しくご紹介していきたいと思います。
Contents
独立の仕方は2種類
独立の方法は大きく2種類に分けることができます。
個人事業主
個人事業主とは、特定の組織に雇用されずに個人でで事業を営むことを言い、一般的に事業規模は小さく、個人や家族経営または従業員数名といった形で仕事を行います。また、個人事業主の事業年度は1月1日~12月31日と決められており、それに対応した税金を納付することになります。ちなみに個人事業主の代表者は社長とは呼びません。
法人
法人とは一般的に利益や公益などを目的に形成された組織のことを言います。法人の事業年度(決算日)は何月何日にしても構わないため、繁忙期を避けたりなどある程度調整ができます。主に個人事業主から法人化する場合、事業が大きくなった、取引先によっては個人とは取引ができないところが出て来た、税金や保険料を安くするためといった理由があります。
個人事業主として独立開業したときのメリットとデメリット
個人事業主として運送業を開業した際のメリットとデメリットをご紹介します。
会社設立に費用がかからない
会社設立の際には設立費用(16万~20万ほど)がかかりますが、個人事業主の場合は当然費用はかかりません。ただし、運送営業許可を得るためやトラックを購入する費用はかかりますので相応の資金はかかることは忘れずに。
節税対策を取りづらい
個人事業主としてだと、利益が出ても節税対策が取りづらいというデメリットも考えられます。特に売上が上がるほど節税することができないと大きな損失となるでしょう。
法人として独立開業した時のメリットとデメリット
法人化し独立開業するメリット、デメリットをご紹介します。
銀行からの融資が受けやすい
法人で開業すると社会的信用が増すため銀行からの融資が受けやすく、開業資金集めがやりやすいというメリットがあります。
荷主からの信頼が高くなる
会社を設立し、法人として開業すると荷主からの信頼も個人事業より得られやすく、事業展開も有利になるでしょう。
節税対策が取れる
個人の場合は所得に合わせて課税される累進課税が取られているため、所得が増えるほど上がっていきます。一方法人税は法人税、法人住民税、法人事業税を合わせた実効税率となっているため、所得が多ければ法人化することで節税につながることがあります。
会計処理が複雑になる
また、会計処理が複雑になり、自分では管理しきれないため、税理士などの専門家に依頼する必要があります。
独立に必要な一般貨物自動車運送事業取得条件
大型トラックの事業として独立するためには「一般貨物自動車運送事業」としての許可を受けなければいけません。この許可を受けるハードルは法改正ごとに厳しくなっておるため、事前にしっかりと準備する必要があります。
資金
一般貨物自動車運送事業としての許可を受けるために準備すると、最低でも1000万円以上かかると言われています。
なぜなら、許可を受けるには「車両費」「建物費」「土地費」「保険料」「各種税」「運転資金」の費用を合算し、所用資金としてあらかじめ確保しなければいけないため。そのため、独立するときはまとまった自己資金が必要となります。
事務所と駐車場
事業として経営するため、所有しているトラックの駐車場、事務所の用意も必要です。また、休憩、睡眠施設も用意しなければならず、1人当たり2.5㎡以上の広さを確保しなけらばならないという決まりもあります。
トラック
一般貨物自動車運送事業を行うためにはトラックを5台以上所有する必要があります。そのため、トラックを購入する費用がの負担がもっとも大きくなるでしょう。
従業員と有資格者
運送事業のため、運行管理者の資格を所持している人1名と所有トラック台数分(最低5台)の運転手が必要となるため、最低でも6名の人数が必要となります。
法人で独立をした方がメリットは多い
法人として独立するためには初期費用がかかりますが、それ以上に節税対策が取れたり銀行からの融資が受けられやすいため、初期運転資金に関してのハードルを下げやすくもなります。
それに何より事業としてしっかり運営しているという見方もできるため、取引先や荷主からの信頼を得ることもできるため、安定した仕事に結びつけることもできるため、法人の方がメリットが多いと言えるでしょう。
まとめ
大型トラックの独立はいくつかのハードルがありますが、しっかり準備し、条件を揃うように工夫すればハードルを下げることができます。また、独立することはメリットばかりではないため、デメリットはなんなのかもはっきりと把握し、対策ができるか考えてから準備をおこないましょう。