大型トラックの自動運転は近い未来に実現する?自動運転の現在と技術の進歩
2019/02/05
大型トラックの自動運転のニュースが増えた昨今、「実際のところ、いつから完全な自動運転が実現するの?」と、気になるところかと思います。
特にドライバーの方にとっては、仕事がなくなってしまうことも懸念されるため、他人事ではないですよね。
ここでは、大型トラックの自動運転の現状や未来について解説していきます。
大型トラックの自動運転の現状
現在国内外を問わず大型トラックの自動運転化が研究され、すでに試走が始まっています。
例えば2017年11月にはイーロン・マスクが電気だけで走ることができるセミトレーラーを発表しました。
このテスラ史上最大と言われるトラックは1回充電すると約36tの荷物を運んだ状態で800km走ることができるという規格外の結果を出しました。
そしてこのセミトレーラーは高速道路に限って「自律走行」を可能としました。
これはテスラの自動運転技術である「エンハンスト オートパイロット」を取り入れたもので、自動プログラムとして「車線維持システム」「車線逸脱警報システム」「自動ブレーキ」などが搭載されています。
2019年から生産が開始されるこの車はこれからの自動運転の可能性を象徴したものとされています。
これはもちろん国内でも動いている研究です。
ヤマト運輸とDeNAは共同開発で宅配便の配達に自動運転技術を活用する実験を繰り返しています。
無人トラックが稼働すれば過密する運送・配送問題を解決できるとして注目されています。
このように「自動運転」「無人運転」の研究は日を追うごとに進んでいるのです。
大型トラックの自動運転のメリット
大型トラックを自動運転にすることで、まず考えられるのがコストの削減です。
アメリカでも日本でもドライバーの平均年収は400~500万円ほどであるとされています。
アメリカには運送、配送ドライバーが300万人以上いるとされており、そのすべてが自動運転のシステムに切り替えると安全管理にかかる費用や保険その他を含めて約20兆円のコストカットが可能であるとされています。
また、事故の減少ということも考えられます。
アメリカでは大型トラックによる死亡事故で毎年3900~4000人が亡くなっています。
すべてではないもののそのなかにはドライバーの運転ミスによるものも多く、自動運転によってそれらが防げるという考えもでています。
そしてドライバーの負担を減らすと同時に安定して稼働させることができるというメリットもあります。
近年ネット販売などの普及によって配送会社のドライバーの勤務体制はかなり過酷になっています。
ドライバーは人ですので疲れてくると事故の原因にもなりますし、仕事効率も落ちてきます。
休憩中はもちろん稼働は止まります。
しかし自動運転であれば効率や稼働率が落ちることなく配送を続けることができるのです。
大型トラックの自動運転の課題と今後
一部には大型トラックが自動運転化するとドライバーの仕事が奪われるために失業者を増やす、という考えもあるようですが実際にはそうはならないと予想されています。
現在運送業界は慢性的な人材不足の状態が続いており、長距離ドライバーなどでも高齢化が進んでいると同時に若者の職離れが続いており、この先ドライバーはますます減っていくことが予測されているからです。
そのため運送業界はむしろ無人運転車の早期参入を期待している様子があります。
また、研究は進んでいるものの公道を無人運転車が走るようになるのはまだまだ先であるとされています。
これは無人運転の安全性や自動運転の精度がしっかりと実証できていないことに加えて、無人運転車が事故を起こした際の責任の所在などこれから決定していかなければならない事案がいくつも残っているからです。
これらを考えると少しずつ自動運転、無人運転の研究は進んでいくものの実用化されるのはまだ先というのが現実的だと言えるでしょう。
まとめ
これらのように自動運転、無人運転の研究は進んでいますがそれによっていきなりドライバーが職を失うということは考えにくい状況です。
実際には運送業界はドライバー不足が起こっていますので当分の間はドライバーの職は安泰と言えるでしょう。