運送委託契約書とは?運送委託契約書の重要性と結んでいないときのリスク
運送委託契約書は運送業界で重要になる契約書の一つですが、名前は聞いたことはあるけど、何なのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。
荷主や元請との運送委託契約書を交わしていないと、考えている以上に不利になってしまうことがあります。そこで今回は、運送委託契約書について詳しくご紹介していきたいと思います。
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運送委託契約書とは?
運送業界で荷主や元請けから荷物の輸送依頼がきた時に、
- どんなものをどこからどこまで輸送すれば良いのか
- 運賃の金額や運賃がいつどのような形で支払われるのか
- 賠償の範囲
といった輸送をする時の業務を書面化します。
書面化する事によって仕事をした後で話が違う!などという問題が軽減され、運賃の未払いなどの問題が起こらないので運送会社の負担をできるだけ軽減する事ができ、現在では多くの運送会社で契約時に取り交わされている書類です。
この書類があるだけで仕事を請ける側は安心して荷物の輸送を行う事ができるというわけですね。
書面で契約を交わすようになる以前は運送会社が損をしてしまう事も結構あったようですので、どんな問題が起こったのかを簡単にお話していきましょう。
運送業界では口頭契約が多い!
なぜ運送業界で運送委託契約書を交わすようになったのでしょうか?実はこれまで運送業界では口頭契約が非常に多かったのです。
例えば荷物を早く相手に運んでもらいたい!といった緊急の仕事が多かった事も原因となっています。
お得意様の場合は特に電話などで依頼される事が多いので、いちいち契約書を交わして荷物を運ぶといった事が少なかったのも事実でしょう。ですがそれが原因でトラブルが発生してしまう事も非常に多かったのもまた事実なのです。
例えばよくある事ですが
- 緊急の場合には料金が高くなる
- 万が一事故や遅延があった場合はどうするのか
などといった問題で、費用を払う払わないなどのトラブルに発展してしまう事だってあったのです。
そのため契約書を交わす時間が惜しく『急いで荷物を運びたい』という焦りが強く関係しているのですね。
運送委託契約書を結んでいないと…
もしも運送委託契約書を交わさずに昔のように口頭で契約をしてしまったらどうなるのかを簡単にまとめてみましょう。
運賃の減額
最も会社の業績に負担となるのが運賃の減額です。契約書を交わしているわけではないので運賃の値引きなどが容易です。
これこれこういう理由だから値引きして欲しい、といった要望が出ると正規の金額を請求してもなかなか支払われません。
長引いてしまうと会社の売上にも関係してくるので、なくなく値引きに応じるなんて事も意外とあるのです。
ですがこうした値引きにいちいち対応していては予定していた売り上げが入ってこないので、会社としてはかなりの打撃を受けてしまいます。
支払いの遅延
口頭で契約をしてしまうと支払い期日に入金がされないなどという問題が起こる事も考えられます。
実際に支払い期日を書面で交わしているわけではないので、相手も多少遅延しても問題はないだろうなどと考えてしまう可能性があります。
これが書面で契約しているのならば、支払期日に支払われなければ相手の会社の信用問題に発展しかねない問題なので、期日までに支払いをしようと努力するでしょう。
ですが口約束というのは甘えが出てしまうので、やはり打撃を受けてしまうのです。
不利な弁償や保障
口頭で契約をした場合に何か商品の破損などが見つかった場合、たとえ荷主の取り扱いミスで起こった問題だったとしても、「商品の破損があったから弁償しろ」といった問題が起こる事もあります。
もしも書面で不測の事態が起こった場合には責任を負いませんなどを書面で交わしていれば、こうした問題は起こらず損害を被る事もありませんが、口頭での契約はこうした問題が起こったら全て運送会社の責任にされてしまうので、書面での契約を交わす方が良いのですね。
運送委託契約書結ぶことのメリットは?
口頭での契約をやめて運送委託契約書を結ぶ事でどのようなメリットがあるのかについてをわかりやすく説明いたします。
無理な運送申し込みの減少
もしも運送委託契約書を結べば「特急対応」の運送申し込みが無くなります。
自社の運送スケジュールに合わせて仕事の依頼を受ける事ができるようになるので、むちゃ振りされずに済むというのは大きなメリットになるでしょう。
また、明日までに運送して欲しいといった場合にも会社規定の特急料金を請求したりする事も可能でしょう。あまり無理な業務をしなくて済むのでドライバーの安全を確保する事もでき、事故の抑制にもつながっていきます。
法律違反の可能性のある運送申し込みの減少
トラックは最大積載量というものがあります。口頭での契約だと最大積載量を超える重量の荷物を依頼される事もなくなります。
荷主の要望に応じるために法律違反をする心配がなくなるので、ドライバーの免許に傷がつく事もありません。
企業としての社会的信用を損なう心配もありませんし、ドライバーの罰則や罰金についての補償も必要なくなります。書面にて最大積載量を超過して運ぶ場合はトラックを追加契約できるのは大きなメリットになるでしょう。
不利な運賃、減額がなくなる
契約書をしっかりと交わしていれば、
- あとになって運賃の値下げ交渉が起こる
- 支払いの約束の日に入金されなかった
といった問題が起こりません。もしも契約したのに約束が破られた際には契約不履行となるからです。
また、貨物の破損や予測できなかった事故が起こった場合の弁償などについても拒否する事ができるので、無駄な費用を極力おさえる事が可能となります。
これまで多大な損害を受けていたのなら、書類を交わす事の良さを実感できるでしょう。
基本的な契約書はダウンロード出来る!
運送会社のメリットが多い運送委託契約書を導入するためには契約書を作成する必要があります。契約書には重要な項目を乗り込まなくてはなりませんが、いざ契約項目を書こうと思っても思いつかない事もあるでしょう。
そんな時にはインターネットを活用して契約書をダウンロードすると良いでしょう。
運送会社の業務委託の基本的な契約内容が盛り込まれているので、自分たちに必要な契約書の書き方がわかるので、参考にしながら追加項目を足していきましょう。
不安があれば専門家に依頼を!
ダウンロードできる基本的な契約書には、企業によって書き換えたり追加したりする項目も記載されています。もちろん契約書なのでわかりやすいかというとそうではないかもしれません。
普段から契約書を交わしていないなら難しいと感じる事もあるでしょう。
どこをどのように変更すれば良いのかや、どんな項目を追加した方がより損害が少ないかについてがわからない場合には、専門家に依頼して自社に最適な契約書の作成すると良いでしょう。
専門家にアドバイスをしていただきながら書き方も教われて襲われて一石二鳥です。
まとめ
今回は
- 運送委託契約書とは何か?
- 契約書を交わさず口頭での契約をしている場合の問題点
- 運送委託契約書を交わすとどのようなメリットがあるのか
などについてをご紹介いたしました。損失を軽減できるようぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。