トラック運転手/ダンプ運転手は労働時間が長い割に給与が低い?実態はいかに!
2019/03/07
トラック運転手は、他の職種に比べると労働時間が長く、給与が低いと言われています。
しかし、もちろん全ての会社がそういう状況ではありません。
今、トラック運転手している方は、他社と比べて労働時間が長いのか。
これからトラック運転手になる方は、だいたいどのぐらいの労働時間になるのか。
などが知れるので、ぜひ参考にしてください!
Contents
そもそも、なぜ労働時間が長い?給与が低い?
トラック運転手は労働時間が他業種に比べて長いです。
また、もちろん会社によりますが、給与が低いと言われています。
では、なぜそもそも労働時間が長く、給与が低いのでしょうか?
その理由は以下の3つです。
- 待機時間(手持ち時間)がある
- 給与体系と下請け構造
- 労働時間の制限がゆるい
待機時間(手持ち時間)がある
トラック運転手は、荷主(荷物を運んで欲しい人)から荷物を受取る必要があります。
しかし、それらが全てスムーズに進むことは無く、1時間から、長い時では4時間ほど待つこともあります。
元々は8時間労働で組まれていた仕事だったとしても、そのような状況なので、残業が多発している状況です。
給与体系と下請け構造
まず、そもそもトラック運送会社では、歩合制で給料を支払う会社が多く存在します。
そのため、仕事をしなくては給料がもらえないので、荷主から荷物を受取るまでの待機時間で給料は発生しません。
この仕組みによって、給与が低いという印象を持たれています。
では、トラック運送会社から、荷主の会社へ「待ち時間も報酬がほしい!」と伝えればいいのではないか、という意見がよく出ます。
しかし、そのような提案をしても、荷主の会社から「じゃあ別会社に頼むからいいよ」と言われてしまうのです。
なぜなら、荷主の会社からすると、どこの会社で運んでもサービス内容は同じなので、いかに安い運送会社を使うかという事しか注目していないからです。
業界全体でこのような下請け構造になっており、労働時間が短く、給与が高いというのは難しい状況です。
一方で、歩合制であれば、頑張れば頑張るだけ給料が上がるので、多く稼ぎたい人には歩合制の会社が向いています。
労働時間の制限がゆるい
一般的な労働者の場合、法定労働時間として「1日8時間、1週間で40時間までしか働いてはいけない」と定められています。
これは労働基準法32条で定められているものになります。
しかし、トラック運転手の場合はこのような規則がありません。
トラック運転手は、労働省告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」により限度が定められています。
具体的には、「1日の拘束時間は原則13時間以内」というルールになっています。
次の項目で詳しく説明しますが、拘束時間には待ち時間・仮眠時間なども含まれます。
トラック運送業界では、先程解説したように荷主からスムーズに荷物を受け取れないため、待ち時間・仮眠時間が発生します。
その待ち時間の仕組みを無くせないので、「1日の拘束時間は原則13時間以内」というようなルールが敷かれています。
もちろんトラックに乗っているだけですが、業界の外の人からすると、それも労働時間だと思われ、トラック運転手は労働時間が長いというイメージがついているのだと思います。
トラック運転手の労働時間に関する規則
"規則"と聞くと難しく感じてしまうので、なるべく分かりやすく説明していこうと思います!
引用元:厚生労働省労働基準局「トラック運転手の労働時間等の改善基準ポイント」
トラック運転手の労働時間に関しては、以下4つについて理解する必要があります。
- 拘束時間:労働の時間
- 休息期間:休息の時間
- 運転時間の限度
- 特例
1.「拘束時間」の規則
拘束時間とは、労働時間と休息時間(仮眠時間を含む)の合計時間のことです。
細かいルールについて記載していきます。
①1日の拘束時間は13時間以内が基本
1日の拘束時間は13時間以内が基本で、これを延長する場合であっても16時間が限度です。
ちなみに1日とは、始業時刻から起算して24時間になります。
例えば、夜勤で午後11時に始業した場合、その時刻から翌日の午後11時までが1日という計算です。
②1か月の拘束時間は原則として293時間が限度
仮に、上限である1日13時間まで働いた場合、1ヶ月のうち23日間ほど働くと上限に当たります。
ただし、労使協定を結んでいる場合、年間拘束時間が3,516時間を超えないという制限がありますが、1年のうち6か月までは320時間まで延長が可能です。
労使協定とは、簡単に言うと「労働者の過半数と書面による協定を締結すること」なのですが、これにより以下のような協定書がある場合、労働時間を長くすることが可能です。
なので、労使協定を結んでいると、1ヶ月のうち24.6日間ほど働くと上限に当たります。
③1日の拘束時間が15時間を超える回数は1週間につき2回が限度
長距離の運送では、15時間を超える場合もあります。
しかし、15時間を超える回数は1週間につき2回が限度です。
2.「休息期間」の規則
休息期間とは、勤務と次の勤務の間の時間のことです。
睡眠時間を含む労働者の生活時間として、労働者にとって全く自由な時間になります。
細かいルールについて記載していきます。
①1日の休息期間は継続8時間以上
例えば、朝8時から勤務開始した場合、翌日の朝8時までのどこかのタイミングで、細切れではなく、継続で8時間以上の休息を取る必要があります。
仮に17時間労働した場合、次の朝8時まで休息期間が7時間しかないので、これは違反になります。
②休日は休息期間+24時間の連続した時間
いかなる場合であってもこの時間が30時間を下回ってはなりません。
休息期間は原則として8時間確保されなければならないので、休日は、「休息期間8時間+24時間=32時間」以上の連続した時間となります。
3.運転時間の限度
運転時間の限度に関しては、
①運転時間の限度の基本規則
②時間外労働及び休日労働の限度
に分けて説明していきます。
①運転時間の限度の基本規則
[1-1] 1日の運転時間は2日平均で9時間が限度
2日とは、始業時刻から48時間をいいます。
また、1日当たりの運転時間は特定日の前日、特定日、特定日の翌日まで考慮する必要があります。
こちらの厚生労働省の資料が少し難しかったので、具体例で解説します。
例)
【特定日の前日】
2020/01/02:運転時間10時間
【特定日】
2020/01/03:運転時間8時間
【特定日の翌日】
2020/01/04:運転時間10時間
↓以下2つを計算
(【特定日の前日】+【特定日】) ÷ 2
(【特定日の後日】+【特定日】) ÷ 2
この2つの平均がともに9時間を超えているので、改善基準告示に違反していると判定されます。
[1-2] 1週間の運転時間は2週間ごとの平均で44時間が限度
[1-3] 連続運転時間は4時間が限度
運転開始後4時間以内または4時間経過直後に運転を中断して30分以上の休憩等を確保する必要があります。
運転開始後4時間以内または4時間経過直後に運転を中断する場合の休憩等については、少なくとも1回につき10分以上としたうえで分割することもできます。
②時間外労働及び休日労働の限度
時間外労働、休日労働に関しては少し特殊なので別で記載します。
[2-1] 時間外労働:1日、2週間、1か月以上3か月、一年の各条件を労使協定で結ぶ
[2-2] 休日労働:2週間に1回以内、かつ1か月の拘束時間及び次第拘束時間の範囲内で可能
4.特例
特例に関しては、以下4つが主流になります。
①休息期間
業務の必要上やむを得ない場合に限り、当分の間、1回4時間以上の分割休息で合計10時間以上でも可。
(一定期間における全勤務回数の2分の1までが限度。)
②2人業務
二人乗務(ベット付き)の場合、最大拘束時間は一日20時間まで延長でき休息期間は4時間まで短縮できる。
③隔日勤務
2暦日における拘束時間は21時間を超えないこと。
2週間で3回までは24時間が可能。(夜間4時間以上の仮眠が必要)但し、2週間で総拘束時間は126時間までに制限されます。勤務終了後、継続20時間以上の休息期間が必要。
④フェリー乗船
乗船中の2時間は拘束時間として取り扱い、それ以外は休息期間とみなします。(減算後の休息期間はフェリー下船から勤務終了までの時間の2分の1を下回ることができません。)
労働環境の良いトラック運送会社を見つける方法
トラック運転手の労働時間、規則などについて説明しましたが、結局のところは働く会社によって、労働環境は全く異なります。
しかし、当然のことながら、それをインターネットや面接だけで見抜くことは大変難しいです。
なので、私は転職エージェントをオススメしています。
転職エージェントは会社の内部まで入り込んでいるので、どの会社が労働環境を整えているのかなども知っています。
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