平ボディ/ツーデフ/ラッシングベルトの意味とは?用語の定義や使い方を解説!

   

トラック業界にも専門用語があります。トラックなどの名称から仕事中に使う言葉まで用語の種類は幅広く、覚えるのも大変ですよね。特に聞き慣れない言葉は意味を理解するのも一苦労。

そこで今回は「平ボディ」「ツーデフ」「ラッシングベルト」の3つの用語について詳しくご紹介します。さらに、一緒に覚えておくと良い用語も合わせてご紹介!早速チェックしていきましょう。

「平ボディ」の意味とは

「平ボディ」とは、荷台がフラットで箱になっていない、屋根のないトラックのことです。床があり、横と後ろは「アオリ」と呼ばれる外開きの板で囲まれていて、低い壁を作ることにより浅い箱のような空間が出来上がります。

見た目はダンプカーの荷台と似ていますが、ダンプカーのように荷台が上がる作りにはなっていません。軽トラックなどにも多く、最も良く見られるタイプのトラックボディです。

「平ボディ」トラックの主なサイズ

平ボディはトラックの基本的な荷台なので、どんなサイズにもあります。軽トラックをはじめとして、2t、4t、8t、10t、もちろん準中型に該当する6tや7tなどもあります。

大型やトレーラーになると、アオリのないフラットなものも数多くあります。

「平ボディ」のメリットデメリット

屋根がないということは、高い荷物も積むことができます。道路交通法では、特殊車両に該当するコンテナは別として、一般的には3.8mが高さ制限です。

つまり平ボディは地上高3.8mまでの高さの荷物を積むことができるのです。これが平ボディの大きなメリットのひとつです。

もうひとつは、クレーンなどを使って上部から荷物を積み降ろしできるというメリットがあります。そして何よりも大きなメリットは、様々な用途に使うことができるということです。

これに対して、デメリットももちろんあります。屋根がないので、雨が降ると荷物は雨ざらしとなります。雪ともなると、空荷で駐車していたのに雪が荷台に積もってしまうことも。

そのため荷台にはシートを掛けますが、大型やトレーラーの荷台にシート掛けをするとなると、かなりの体力が必要です。特に梅雨時などは、シート掛けが終わったら雨と汗でびっしょりということもあります。

合わせて覚えたい「アオリ」の意味とは

最初に説明したとおり、平ボディの側面には「アオリ」と呼ばれる外開きの板が付いています。蝶番で留められており、閉めた状態にする際はハンドル等と呼ばれる金具で固定します。

このアオリ部分に社名などを記載しているトラックも多数あります。なお、アオリを開くことを「アオリを切る」という言い方をします。

「ツーデフ」の意味とは

大型トラックで耳にする「ツーデフ」。「デフ」とは「ディファレンシャルギア」の略で、エンジンの動力をタイヤに伝えるためのギアです。

トラックは大型でなくても後輪駆動ですが、大型トラックの場合は後輪が2軸のものがほとんどです。

ツーデフとは、軸を駆動させるデフが2つあり、後2軸の2つともが駆動する駆動方式のことです。デフが1つで駆動軸が後2軸のうち前の軸(後前軸)だけのものは「ワンデフ」と呼びます。

「ツーデフ」のメリットデメリット

ツーデフ車は、その駆動力の高さから舗装していない道路や悪路でも走りやすいことがメリットです。普通自動車も4WDなら悪路を走りやすいですよね。

そのため、ダンプやミキサーなど、工事現場や泥道を走行することの多いトラックにはツーデフ車が採用されていることが多くあります。

ただしツーデフはワンデフに比べて燃費が悪いというデメリットがあります。また、デフそのものの重量もあるため、積載量がその分ワンデフに比べて減ってしまうのです。

合わせて覚えたい「ワンデフ」とは

「ワンデフ」とは、先に説明したとおり、駆動軸が後前軸のみの駆動方式で、「シングルデフ」とも言います。

3軸のトラック(前輪の軸が1つ)では、ワンデフが標準的な駆動方式です。それに対して、4軸低床(前輪の軸が2つ)のトラックはすべてツーデフです。

「ワンデフ」のメリットデメリット

ワンデフのメリットは、ツーデフと比べて燃費が良いことです。悪路を走るようなことがなければ、通常はワンデフで十分です。また、ツーデフ車よりも最大積載量が増えます。

デメリットは、ツーデフに比べて悪路に弱いということです。積雪時などはツーデフのほうが安定した走りをすることができます。

「ラッシングベルト」の意味とは

ラッシングベルトとは、荷締めをするためのベルトです。略して「ラッシング」と呼ばれ、両端にある金具を荷台にあるラッシングレールに取り付けることで固定して、ベルトを締めてバックルで固定します。

また、両端の金具がフックになっているものもあり、これは荷台の床にあるフックに引っ掛けて使うことができます。

さらにはラッシングレール用の金具とフックが両方付いているものもあり、横からでも床からでも取れるというスグレモノです。

今はほとんどがハンドルをガチャガチャと動かして締めることができる「ラチェットバックル式」が主流になっています。

「ラッシングベルト」の種類

前述のように、ラッシングといえばラチェットバックル式が主流です。それほど大きな力を使わなくてもきつく締められるので、女性にも扱いやすいベルトです。

ただし締めすぎてしまうと、解除するために大きな力が必要になってしまいます。また、荷物によっては締めすぎることで破損してしまう場合もあるので、力加減が大切です。

ガッチャという呼称もありますが、ガッチャはワイヤーやチェーンを使用して締めるものも含んでいるので、厳密にはガッチャ=ラッシングベルトというわけではありません。

その他にも、ラッシングベルトには強く引っ張ってからバックルで固定する「オーバーセンターバックル式」や、バックルで固定されている状態のまま引っ張って締める「カムバックル式」があります。

一般人も搬送で使うことがある

ラッシングベルトはホームセンターなどでも売っているので、一般の人も気軽に使える荷締め道具です。

個人での引越しはもちろん、モーターボートやバイクなどの搬送で使っている人も多く、何度でも再利用できる荷締め道具としてはかなり使い勝手の良いものです。

さらにはアウトドアや登山など、工夫次第でいろんな使い方ができる便利な荷締め道具なのです。

まとめ

今回は「平ボディ」「ツーデフ」「ラッシングベルト」の意味をご紹介しましたが、トラック業界にはまだまだたくさんの専門用語があります。

慣れるまでは知らない言葉が飛び交っていて不安になるかもしれませんが、わからない言葉はすぐに調べましょう。

ひとつでも多く専門用語を覚えれば、短い言葉で意思の疎通ができるようになって仕事効率もグンと上がりますよ!

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