タンクローリー運転手の給料/年収/月給/手取りを大型トラックと比較!具体的な年収例も掲載!
2020/07/06
タンクローリーと聞くと危険物を運んでいるイメージかもしれませんが、実はタンクローリーの積み荷はいろいろあり、危険物取扱者の資格がなくてもできる仕事もあります。
そんなタンクローリーの運転手、給料はどうなんだろうと気になりませんか?そこで今回は、タンクローリーの種類と運転手の給料についてのお話です。
Contents
タンクローリーが運ぶもの
まずは、タンクローリーは、運ぶものによって大きく年収や給料が変わってきます。そこで、まずはどういったものを運搬するのか、というところをご説明いたします。
液体
「タンクローリー」と言われてまずイメージするのが、ガソリンや重油などを積載した危険物タンクローリーかもしれませんね。
ところがタンクローリーが運ぶ液体には、牛乳や水、シロップなどの非危険物もあります。レアなところでは、ヤクルトの原液を運んでいるタンクローリーもあります。
牛乳を運ぶタンクローリーは「ミルクローリー」とも呼ばれます。もちろん非危険物タンクローリーなら、危険物取扱者の資格は必要ありません。
また、危険物ではなく化学薬品を運搬する「ケミカルローリー」もあります。
この場合は危険物を示す「危」のマークではなく、毒物および劇物の積載を示す「毒」のマークを表示します。
気体
よく見かけるLPガスの他に、酸化ガスや水素ガスなどを輸送するタンクローリーで、そのまま「高圧ガスローリー」などとも呼ばれます。
高圧ガスローリーには「高圧ガス」の文字が表示されます。
固体
タンクローリーが積載する固体とは、粉体です。
そのため「粉粒体運搬車」「バルクローリー」などと呼ばれます。
粉粒体にはバラセメントや石灰、化学薬品などの他に、小麦粉や砂糖などの食品、さらには家畜用の配合飼料などがあります。
運ぶもの別のタンクローリードライバーの具体的な給料・年収例
それでは、具体的に運ぶ物事に年収を見ていきましょう。
ガソリン、重油系
燃料系の危険物を積載するタンクローリーは、「石油ローリー」などとも呼ばれます。
石油ローリーは、季節によって仕事量が変動する場合があります。
灯油の需要が高まる冬季は仕事量が増えますが、暖房が不要な季節には、当然ながら灯油の需要は下がります。
また、大型連休前などはガソリンの需要が高まるため、やはり仕事量が増えます。
そのため、歩合制を採用している会社もあります。
給与については地域差が大きいうえ、中型・大型・トレーラーなどの車両でも差が出るため一概にはいえませんが、平均年収はガソリンスタンドの看板を背負ったメーカー車で400万円~500万円、看板のないノーマーク車は歩合制のところが多く、平均380万円~600万円と幅広くなっています。
いずれにせよ危険物取扱者の資格が必須なので、資格者手当などの手当が期待できるケースが多くなっています。
具体例:
大型タンクローリー運転手
首都圏勤務、月給30万~42万円
日曜祝日休み、要危険物取扱者資格
LPガスなどの気体
高圧ガスローリーも地域差や車両による差はありますが、平均年収は350万円~550万円あたりです。
経験の有無で大きく差がある場合もあります。
具体例:
大型ガスローリー運転手
関西勤務、月給33万~50万円
月間休日4~8日で働き方を選べる
要高圧ガス移動監視者資格
ケミカル系
ケミカル系は給料も高いといわれるケースが多く、月給40万円という会社もちらほらあります。
もちろん地域差や車両、積載物などによる違いはありますが、平均的な年収は500万円~600万円あたりのようです。
具体例;
大型ケミカルローリー運転手
首都圏勤務、月給33万~46万円、年2回賞与あり
日曜祝日、夏季、年末年始休み
食品系
こちらもやはり地域差や積載物、車両サイズによる差はありますが、平均年収は350万円~550万円といったところです。
運転免許以外の資格が不要なことも多いため、危険物やケミカル系に比べると低くなってしまうかもしれませんが、トラック運転手として考えると妥当なところでしょう。
具体例:
大型ミルクローリー運転手
北海道勤務、月給20万~30万円、年4回賞与あり
週1日以上のシフト制休日、家族行事に合わせた休暇の取得OK
タンクローリーは積み下ろしの力仕事がない
タンクローリー運転手の特徴といえば、積み下ろしがないことです。
普通の貨物トラックのドライバーは、時として大型満載の手積み手降ろしがあることもありますが、タンクローリーの場合は当然ありません。
力仕事といえば重いホースを持つ作業がありますが、高齢者でも扱えるため、実際にシニアや女性も多く活躍しています。
年齢が上がっても働けるため、長く働きたい方には特におすすめです。
タンクローリーの運転で注意すること
危険物や毒物・劇物を積載することへの注意はもちろんですが、タンクローリーならではの運転上の注意点もあります。
液体ローリーの場合は、積み荷の液体が荷台で揺れることを忘れてはいけません。
連続したカーブを曲がれば、液体がタンク内で右に左に揺れてしまいます。
共振というこの現象により、液体を積んだタンクローリーは、非常に横転しやすいのが特徴です。
もちろん急ブレーキや急発進によっても、積み荷は大きく動きます。
信号待ちで停止するたびに「ふわんふわん」と揺れるので、慣れないうちは酔ってしまう人もいるかもしれません。
このように、液体を積んだタンクローリーは普通の貨物トラックとは違う大きな特徴があることを理解する必要があります。
タンクローリー運転手に必要な資格は?
タンクローリーの運転手となるために最低限必要な資格は中型免許ですが、実際には中型のタンクローリーの求人はあまり多くないので、大型免許が必須と考えたほうがいいでしょう。
中型免許(8t限定)しか持っていなくても、タンクローリー以外の貨物トラックも扱っている運送会社に入社すれば、資格取得支援制度が設けられていることもあります。
また、けん引免許があれば、さらに好条件で働くこともできます。
もちろん会社によってはけん引免許の資格取得支援制度がある場合もあるので、大型しか持っていないからと諦める必要はありません。
その他に必要な資格は、先述のとおり積み荷の種類に応じて変わってきますが、最も多いタンクローリー運転手の仕事は燃料系なので、危険物取扱者を視野に入れておくのがいいでしょう。
とはいえ、こちらも入社後の資格取得を支援する制度がある場合もありますので、無理に自費で取得してから求職活動を行わなくても大丈夫です。
じっくりと求人情報を探してみましょう。
まとめ
ひとくちにタンクローリーといっても、実にさまざまな種類があることがおわかりいただけたかと思います。
たしかに給料は危険物やケミカルなどのほうが高くなりますが、資格がないなら非危険物ローリーの経験を積んでから転職するという方法もあります。
根気よく探せば、自分に合った働き方のできる会社にきっと出会えるはず。
大型免許があるなら、タンクローリーを転職の選択肢に入れてみるのもいいかもしれませんね。